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東と西の国の違い

ユリア王妃に言われたことをすぐさま女王陛下は確認に動く。近くにいた侍女に部屋の外に立っていたであろう護衛を呼び、部屋を整えたものを呼ぶ。


もちろんその間セイジらを立たせっぱなしにすることもなく着席を促し、すぐさま食事を持ってくるよう給仕掛かりへと言いつけることも忘れずに


一件に関わったもの騎士二人にメイド5人が呼ばれるのとほぼ同時に料理は女王陛下とセイジらの前へと並んだ。

ただ食事の前に一言、エリーゼとユリア王妃よりセイジにささやかれる言葉が

食事には気を付けてください、と


最初なんのことか分からなかったものの、スープに手を付け、出された肉を切った瞬間にそれはわかった。

これ食ったらダメなやつだ、と


大丈夫とは思うものの、軽く自分に癒しの奇跡をテーブルの下でこっそりと使い、後は女王陛下の動向を見守ることに


「それで、メイドらよ。部屋に呼ぶベルがなかったそうだが?」

女王陛下の質問に代表して一名のメイドが声を上げる

「恐れ多くも女王陛下、こちらに先ほど客間から取ってきたベルがございます。確かにテーブルの上に一つ置かれておりました。おそらくは見逃したのではないかと・・・」


メイドが取り出したのは銀色に輝く綺麗なベルだった。米粒ほど小さいわけでもないあれを見逃すほど私たちの目は悪くないのだが。そんなことをいちいち言う気はない、なんせこちらとしてはもう終わったことで帰りたいのだから。食えない飯を前に出されても腹は膨れず渇きも潤わない


「そうか、それで騎士二名よ。そちらは部屋で呼ぶ者の声は聞こえなかったと?」


「はい、全く。そもそも部屋で叫ばれることを想定もしておりませんでした。大抵はまずベルを鳴らされるので、もしやお客人はベルを鳴らすことを知らなかったのでは?」


メイドと騎士、双方の証言に女王陛下はうんうんと頷くだけで他に何もなかった。

それを見て私が一つ思ったのは、おそらく女王陛下は名言しなかったもののユリア様を王妃と認めたはず。その王妃がいるのにベルを知らず呼ばれた声も無視したとなればあまりいい結果にはならないと思うのだが



「そうか、では妾にどちらか一方が嘘をついている、とそうなるわけだな?一国の王妃か国のメイドと騎士どちらかが嘘をついた、と。なるほどな」


女王陛下が目を細めメイドと騎士をじっと見つめる。

「それで半日以上水も食事も出さなかったと、呼ばれもしないから何もしなかったと?なるほど、大してもてなしだな。私はしっかり持て成すよう命じたはずだ、それがコレと。なるほど、妾はどうやら城で働くものを選び間違えたようだ。担当のメイド5名と騎士二人は即刻首を刎ねる故、どうかこの通りお許しください聖人様、ユリア王妃、シスター」


再び女王陛下が頭を下げてしまった、あぁこれはきっと周りの人たちの目がーと思ったが。周りの人たちの顔は青ざめているだけで怒ってはいない様子

それはそうか、なんせ自分の首が飛ぶのだから


しかしドランテール王国と違ってこの国では首は飛ぶのか、恐ろしい国だ・・・


セイジの感覚ではそう思うものの、他国の王族にメイドや騎士が無礼を働けば首など簡単に飛ぶ。むしろ自分の首だけで済むなら安いものだ。最悪家族一族連座で首が飛んでもおかしくないことをしているのだから。


『お、お待ちください女王陛下!』

そうメイドらが声を上げるも既に遅いのだ。何を言おうともやってしまったことは変わらない。たとえそれが誰かの命令であったとしても


「安心せい、誰かに命じられたとしたらその者の首も刎ねよう。故に安心して旅立つがよい」


傍に控える別の騎士に女王陛下が合図をするなりメイドらは拘束され部屋の外へと追い出される。おそらく連れて行かれるのは地下牢なりなのだろう。


「さて、ばたばたと申し訳ない。食事を再開しよう、と冷めてしまったな。軽く温めなおしてもらおう」


再び合図すると今度は違うメイドが部屋に入ってきて食事を取り換えようとするも、それをユリアは止めた。

「女王陛下、お気遣いいただきありがたいのですが、温め直したところでこちら冷製スープですのでお構いなく。お肉も外側以外生ですので温め直す意味もないと思いますの」


こうして女王陛下による断罪第二ラウンドは始まることに・・・今度はシェフの首が飛ぶらしい


ちなみにこっそりユリア様の国で同じことしたらどうなるか聞くと

やっぱり首が飛んでも文句は言えないらしい・・・やるなら大した度胸か舐めてるのか、どちらかだと

王族相手に失礼のないようにしようと私は改めて心に決めた



初作品となりますがいかがでしょうか?

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