迷惑料
帰ろうとするセイジ、待って欲しい門番。二人が綱引きをしてると後ろから老人がゆっくりと歩いてきた。
あの歩き方、おそらく膝が悪いのだろう
「旅のお方、お待ちくだされ。なにやらトラブルの様子、この老人に事情を話してはもらえないだろうか」
「見ず知らずの私の話は信用できないでしょうからこちらの門番の方から聞いてみては?」
そう言って俺は門番を試した、ここで正直に話せばまだ見込みはある。もし嘘をついたら迷わず帰ろうと
その結果・・・男はしっかりと自分がしたことを老人へと話していた。正直に自分がした暴行を話せるとは・・・正直驚いた。
もっとも倫理観が終わっていて悪いことと思っていない可能性もあるが
「それはそれは、旅の方には申し訳ないことをした。この村長に免じて許してはもらえないだろうか」
門番とそして村長と名乗る老人が二人して頭を下げた。
謝罪はいいのだけれども・・・ただなぁ
「迷惑料として門番財布の中身半分もらいます。そうでなければこの村に入らず私は去ります。間違ったことをしたとき謝罪は当然です、ですが言葉だけじゃ済まないことなんてこの世にはゴロゴロある。そうでしょう」
財布の半分に門番は青ざめる、が払うしかないことは理解できるのだろう。彼がもし去れば村のけが人や家族から猛批判されるのはわかるだろうから
おずおずと財布を取り出し銀貨二枚を手渡してきた。
「はい、ありがとうございます。それではこちらの村に入らせていただけますか?けが人等困ってる人がいれば治療しますので」
村長に案内されるまま、セイジは村の中へ進んでいく。その後ろ姿を門番の青年は恨めしそうにしつつ拳を握りしめて見送るのだった。
「村長、申し訳ないんだがまずは宿屋に案内してもらえないだろうか?寝る場所を確保してから各所に赴きたいので」
「ええ、かしこまりました。こんな小さな村ですが一件だけ宿がありますので案内しましょう」
そういい方向を変え歩き出そうとした村長の肩を掴み止めた。こんなゆっくり歩かれたら日が暮れるわ
「案内料として足の治療をします。ですので各所への案内お願いしますね」
村長の膝は年齢から来るものなのか軟骨が大分すり減っていた。それをとりあえず40年分くらいは回復させておく。これで死ぬまで大丈夫だろう
「おぉ!?長年の膝の痛みが!?こ、これが癒しの奇跡なので!?」
なにやら嬉しそうにジャンプしたりその場で足をバタバタ動かす村長。確かに長年の痛みがなくなり自由に動くとなればうれしいか
「さあさ村長、行きましょう。その足なら軽快に案内もできるでしょう?」
「はい!」
初作品となりますがいかがでしょうか?
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