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王太子との謁見

獄中で美味しい昼?ご飯を食べ終え、さああと何回このご飯が食べられるのかとセイジが呑気なことを考えていると、その時は突然訪れた。


「出ろ、カイン王太子殿下がお呼びだ」


せっかく食後にくつろいでいるというのに騎士の迎えがお出ましに。今度は王太子直々の取り調べという名のストレス発散だろうか?さすがにそんな暇じゃないだろーと思いつつ縄で縛られた腕を前に連れてこられたのは謁見の間だった。

そこに後ろから押され膝まづく格好で座らされ普通に膝が痛い。


玉座に座るのは王ではなく初めてみる20ほどだろう男性。まさかあれが王太子殿下なのだろうか?

その玉座に堂々と座る姿はある意味ではしっくりくるのだが、まだ王でもないものが出す雰囲気ではない。


「ほう、これが聖人、癒しの奇跡を使える男か。レティカが世話になったようだな?」

王太子の問いかけにセイジはただ黙って応えない。もちろん平民の自分に返事が許されているとは思っていないからだ


「おい、王太子の言葉を無視する気か?それとも口が聞けないか?そんな報告受けていないぞ?」

ちらりとカイン王太子は側近を見ると側近は首を横に振るだけだった。

そして周りの他の者も応えず、ただセイジの後ろに立つ騎士が返事をしろと頭を殴るだけで


殴られた勢いそのままにセイジの頭が固い石の床へと叩きつけられた

ゴン!と明らかに痛いであろう音と共にセイジの額が割れたのか静かに血が流れている


「カイン様、この男は平民出身だそうで貴族相手の振る舞いなど知らないのでは?」

側近がようやく誰にとってか助け船を出した。


「あぁそうか。平民だったな、それでは仕方ない。おい平民、今この場でのみ無礼を許そう、答えろ。お前がレティカを癒したのだろう」


無礼を許す、その言葉を信用などもちろんできない。むしろ無礼をされているのはこちらなのだから。

セイジは顔も上げずそのまま返事を返した。なんのことかわかりません、と


「なんだ、違うのか。不出来な妹を治療してくれた褒美の一つでも俺が直々に下賜しようと思ったのだがな、不要だったか。ならば必要なのは罰のみ、よくも俺がディアナへと与えたブローチを盗んだものだ。他にも紛失しているものがあると聞いた、貴様の仕業で間違いないか」


俺が一つ思ったのは、この男は俺に全ての罪をかぶって欲しいのか、それとも本人及び周りにいる人間全部無能の阿呆なのかどちらかだ。ということだ

ろくに調べる能力がないのか時間がないのか、どちらにせよ有能とは思えない行動でしかない


「聖女様が使われていた診療所にあったモノは全て神殿内の一室にて袋詰めにして保管してあったはずです、それがどうなったかは神殿関係者の責任。私には一切関係のないことです。袋詰めは神官長監視の元行わせていただいておりましたので確認をお願いします」


「そんなもの前神官長はとっくに陛下が裁いている。残るはお前の処罰だけだ、さてどうするか前神官長は貴族でもあり首は刎ねられていないが、平民の貴様の首は繋がるかな?」


人の生き死にを決めるというのに、それをまるで楽しんでいるようなその姿に周りにいる者たちはただただ絶望していた。この先この男が玉座に座った未来を想像しながら


そんな絶望的な空気を変えたのは一人の女性の声だった


「お止めください!セイジ様は私の恩人です、その恩人になんたる仕打ちをなさるのですかお兄様!」

悲鳴のような怒声のような、か弱い女性とは思えない芯のある声が謁見の間に響き渡った。


「やれやれ、ようやく歩けるようになったと聞いたが喧しくまでなったか。大人しくベッドの上にいればいいというものを」


侍女に支えられながらレティカ姫が入ってきた。

その状況をセイジは感心して聞き入る、あの状態からもう支えありとはいえ歩けるとは。

よほど努力されたのだろう・・・


初作品となりますがいかがでしょうか?

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