第一章 キャサリンのおつかい 前編 「天才クソガキ5歳児」
司会 さあ始まりました!はじめてのおつかい337話!生放送!
可愛さん 楽しみー!
川山さん 今日はどんな非常識なガキが見られるんでしょうねえ。
司会 本日お使いに挑戦するのはプリフェクチャー県シティー市に在住の
キャサリンちゃん5歳!
可愛さん かわいいー!(私には及ばんがな。)
司会 今日キャサリンちゃんが挑戦するのは家から500メートルの
地点にそびえ立つ、スーパー山田!
ゴーヤチャンプルの材料を買ってきてもらいます!
それでは、お母さんに意気込みを聞いてみましょう!
ーー インタビュー ーー
Q キャサリンちゃんはどんなお子さんですか?
お母さん キャサリンはとっても頭が良い子なんですよオホホホホ!
Q おつかいで不安なことは?
お母さん オホホ…。ホホ…。…実はキャサリンは頭が良すぎていつも
お父さんの車を自分で運転して遊びにいってるんです…。
叱っても「300メートル以上歩きたく無い」って言って
言うことを聞かなくて!きっと今日のおつかいもこっそり車を
使って行くに決まってますわ!
ああ!地上波で逮捕の映像が流れちゃうかも…!
ーースタジオーー
川山さん 5歳のくせに運転するとは!けしからん!ああいうのを
「インテリ」って言うんですかねえ!
なんかイライラしますよ。
可愛さん す、すご〜い!(インテリというより犯罪者だろそいつ!)
司会 さあ、そんなキャサリンちゃんにお灸を据えるため、
番組スタッフも刺客を用意しました!
刺客 ククククク…。仕事はきっちりと果たすぜ…。
司会 これは頼もしい!さあ、キャサリンちゃんが
今からおつかいに出発します!
刺客の方もスタジオを出発して
キャサリンちゃんのもとに向かいます!
刺客 キャサリン、おまえの死地はスーパー山田だ、ククククク…。
ーーキャサリンの家、玄関ーー
キャサリン おかあしゃん!おとうしゃん!わたしがんばるね!
お母さん キャサリン、絶対に車は使わないでね!
ゴーヤと豆腐、ちゃんと買ってくるのよ。
キャサリン はーい!
バタン!
キャサリン ハハハハハ!オレが歩いて行くわけないだろう!
車のキーは盗ませてもらった!
はじめてのおつかいだかなんだか知らんが、
オレは歩きたくないんだ!
優雅に車で行かせてもらうぜ!
ガチャ、ブルルーン!
ーースタジオーー
川山さん なんてやつだ!?若いくせに調子に乗りおって!
可愛さん アハハ…(これ放送していいの…?)
司会 まあまあ皆さん、刺客の方がきっとうまくやってくれますよ…。
ーースーパー山田、駐車場ーー。
キャサリン ふう、着いた。
オレにかかればパピーが苦戦してる駐車もお手のもんだ!
天才の征く道は塞げないんだよな!
あとは買い物すりゃ終わりだ!ちょろいもんだぜ!
刺客 ククク…待ちな、お嬢ちゃん!
キャサリン なんだ!?
刺客 番組に雇われた刺客のマイケルユアケルだ。
おまえの死地はここになるぜ、ククククク…。
キャサリン はじめてのおつかいに刺客が来るなんて初耳だな。
オレを舐めるなよ?
ちょうど車で来たところだ、お前を轢き殺してやる。
マイケル どうぞ、やってみな…。
ブルルーン!
キャサリン よし、轢いてやる!アクセル全開だ。
ーしかし、車は動かないー
キャサリン 何故だ!何故オレの車は動かない!?
マイケル ククク…何言ってんだ?ここは有料駐車場、
料金を払わないと車は出せねえぜ?
キャサリン なんだと、スーパー山田の駐車場は無料のはず…まさか貴様!?
刺客 そうだ、俺の能力「マイケルのリパーク」は有料駐車場を作りだす。
お前は俺の術中にまんまとハマったってわけだ!
続く…