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Dream6 「パラレルワールド」

Dream6

「パラレルワールド」



■登場人物

・俺

・P子

・F美

男たち 「うおおおおおおおお!!!!!」


俺  「え!?なに!?!?」


叫び声に目をやると大勢の男たちが俺の方に向かって叫んでいる。


男1 「てめぇのせいでこっちは漁に出たって1匹も獲れやしねぇ!!!」


男2 「そうだ!そうだ!もうゆるさねぇ!!!」


俺  「いやいや!海って広いじゃないですか!そんなことあります!?」


男1  「そんなことあるから言ってんだよ!!!

     いくらお前でもこの人数相手ならどうにもできないだろ?」


俺  「いや、そりゃそうでしょう!僕そんな強くないですけど!?」


男2 「ふざけてんのか?そんな図体してよ!!」


そう言われて自分の身体を見ると、

ありえない程の筋肉に包まれている。

ボディビルダーの何倍もある。


そして白いタンクトップを着ている。


俺  「うわぁ・・・こりゃ強いわ・・・」


すると背後からも叫ぶ声がする。


男3 「おいおまえ!農業まで始めるらしいな!?」


俺  「え!?そうなの!?!?」


また大勢の男たちがいる


男4 「海だけじゃ足りずこっちにまで手を出して!

    村のみんなをどうしたいんだ!?」


俺  「そりゃそうですよね・・・困りますよね・・・」


男3 「どの口が言ってんだ!!!」


俺  「そういわれましても、なんの記憶もないんですよね・・・」


男1 「かかれ!!!!!」


その号令と共に前後から男たちが襲い掛かってくる。

ここは狭い路地で逃げ場もない。


闘うしかないのか!?


・・・でもこの肉体なら行けるかもしれん!


1人目を殴ってみる


男1 「うわぁああああ!!!」


男はすごい勢いで飛んでいく。


俺  「(えー!?そんな飛ぶ!?)」


そこから、俺は無双状態だった。

誰が何人かかってこようと痛くもかゆくもない。


あっという間に全員を倒した。


俺  「すげー・・・何この力・・・!なんか楽しいんですけど!」


俺は周りの景色を見る。


建物はずいぶん昔に建てられたような家ばかりで

道もアスファルトではなく土である。


近くには広い海が広がっている。


時代劇の世界やゲームの世界に引き込まれているような感覚だった。


なんとなく、その場でジャンプしてみる。

凄く高く飛べた。


俺  「すごいじゃん!」


俺は家の屋根に飛び乗り、そのまま家と家を飛び移っていく。


俺  「気持ちいい!!!」


すると、急に目眩がして俺は地面に落ちた。

どんどん気が遠くなっていく。


俺  「なに・・・これ・・・」


俺はどんどん気が遠くなっていき目を閉じた。


そして、再び目を開けると目の前は学校の渡り廊下に変わっていた。


俺  「・・・今度は何?学校?」


自分の姿を確認すると、学生服を身に着け

筋肉もなくガリガリだった。


俺  「身体ほっそ・・・」


P子 「ちょっと!何ボーっとしてんの?授業遅れるよ!」


そう言って俺の手を引っ張り走っていく。


そうだ、この子は幼馴染のP子だ。

家が隣で小さい頃からずっと一緒にいる。


気も弱く友達もいない俺と比べ明るく友達も多いP子。

漫画やアニメでありがちな良くある話だ。


俺  「(あーこれが現実世界か・・・さっきの何だったんだろう)」


そんなことを考えていると、P子が急に立ち止まる。


P子 「さっきの・・・本気なんだよね・・・?」


俺  「なにが?」


P子 「な、なにがって!・・・その・・・付き合おうって・・」


俺  「・・・え?」


P子 「もし本気なら、いいよ?」


俺  「俺と付き合うってこと?」


P子 「うん・・・私もずっと好きだったから嬉しい・・・」


俺  「(言った記憶ないんですけど!?でもなんかすごく言いづらい空気!)」


P子 「これからは幼馴染じゃなくて恋人ってことで、改めてよろしくね?」


俺  「あ・・うん。・・・よろしくお願いします」


P子 「よし!教室行こうか!!」


そういってまた手を引っ張り走り出す。


俺  「(なんか付き合うことになっちゃったけど大丈夫か?)」


正直なところP子に対しての気持ちは分からない部分があった。

幼馴染としての好きなのか、恋愛対象としての好きなのか。


ただ、流れで付き合うことになったとはいえ、

急に手が触れてることに意識してしまってドキドキしてしまう。


手を引っ張られるなんて今まで何回もあった行為なのに。

それにさっきの照れたP子の顔も脳裏に焼き付いている。


あんな一面もあるんだなってドキッとした自分が居た。

やはり好きなんだろうか。


自分でもわからないまま教室につき、そのまま授業が始まる。

しかし、授業の内容なんて全く入ってこなかった。


P子に覚えのない告白をしていたこと。

付き合うことになったこと。


そして夢なのかはわからないが、

自分とは正反対の強すぎる男になったこと。


全くわからない。


そんなことを考えているとあっという間に放課後になっていた。


P子 「いつまでボーっとしてんの?早く帰ろ?」


俺  「あ、うん」


俺はいつも通りP子と一緒に家に帰る。

ただなんとなく気まずくて無言が続く。


P子 「なんかしゃべってよ!」


俺  「あ、ごめん。なんか緊張しちゃって・・・」


P子 「もう!男らしくないな!」


そう言って俺の手を握る。

恋人繋ぎってやつだ。


P子 「これくらいしなさいよ?」


俺  「ごめん」


うわ、手汗かいてるかも、気にならないかな。


P子 「手汗かきすぎじゃない?w」


俺  「そうだよね、ごめん!」


急いで手を放そうとする


P子 「別にそんなの気にしないから離さなくていいの!」


俺  「あ、はい」


P子 「先が思いやられるわ」


俺  「ごめんなさい」


P子 「すぐ謝らないの!」


俺  「すいません!」


P子 「言い方変えてもダメ!」


俺  「あ、そんなつもりじゃ・・・」


P子 「・・・ぷっ。はははw」


俺  「はははっw」


なんかいいな。こういうのも。


そんなこんなで2人の家の前につく。

長いようで短い帰宅時間だった。


P子 「じゃあまた明日ね!7時半には出てくるように!」


俺  「分かったよ。また明日!」


P子と別れて家に入る。


するとまた目眩がする。


俺  「(またこれだ!!)」


俺は目を閉じる。


目を開けると、どこかの家にいる。

でもすぐに自分の姿を見て分かった。


またあの世界だ。


父  「おまえ何突っ立ってんだ?早く座れよ」


目の前には大きなテーブルがあり、

父、母、祖父が座ってご飯を食べている。


そして奥から綺麗な女性が来る。


女性 「あら、あなた。早く座って?ご飯できてるから」


俺  「(あなた!?)」


祖父 「F美さんも座って食べなさい?」


F美 「はい、ありがとうございます」


俺は左手を見ると、薬指に指輪がある。

もちろんF美の薬指にも。


俺  「(こっちでは俺って結婚してんのか)」


F美 「今日もお疲れさまでした。」


そう言って、俺の前のコップにビールのようなものを注ぐF美


俺  「あ、ありがとう」


俺  「(俺は未成年じゃないのか?)」


父  「どした?飲まねえのか?」


俺  「あ、あぁ飲むよ?」


一口飲んでみる。


俺  「にっが!!!」


F美 「え?なんか変な味します?」


俺  「あ、いや。そんなことないですよ!」


F美 「ですよって、なんだか今日は変ですねw」


父  「そういやお前、今日はまた派手にやったらしいな?」


俺  「ん?」


父  「漁師と農家とやり合ったみたいじゃねーか!」


俺  「あー!!!(え、これ怒られるやつ!?)」


父  「全員やっちまうとはな!流石、俺の息子だ!」


俺  「お、おう!」


なるほどな、そういう家庭なんだな。

そしておれはかなり強気な男、いや「漢」ってことだな。


分かってきたぞ。


F美 「ほどほどにしてくださいよ?怪我するのは嫌ですからね?」


父  「男なんてもんは、怪我してなんぼよ!!」


俺  「まぁ気を付けるよ!」


多分、あの力でこの身体なら滅多に怪我なんてしないだろうな。


F美 「・・・」


夕食を食べ終えるとお風呂の時間になった。

どうやら俺が一番に入るらしい。


服を脱いでお風呂に入る。

一昔前のお風呂って感じだ。


桶も木製だ。

とりあえず桶にお湯を汲み、頭から流す。


鏡を見ると顔は現実世界と同じだった。


俺 「顔は同じなのに身体だけはこんなに違うと不思議な気分だなw

   フィギュアの頭だけ変えたみたいなw」


ーガラガラ


俺  「!?」


F美が入ってきた。


俺  「え!?ちょっ!まだ入ってるけど!?」


F美 「はい、わかってますけど・・・」


俺  「一緒に入るの!?」


F美 「いや、いつも通りお背中を流しに・・・」


俺  「(毎日そんなことしてんの!?)」


俺  「あ、あぁそうだったな!忘れてたわ!」


F美 「やっぱり今日変ですよ?少し早めに休んだ方がいいですね。」


俺  「あーそうだな?」


そうしてF美が身体を洗ってくれる。

平常心だ。平常心を保て。

じゃないと大変なことになる・・・何がとは言わんが。


こうして、精神的に疲れるお風呂の時間が終わった。


そして次の問題は寝る時間だった。


俺の布団の横にはF美が寝る布団がぴったりくっついている。


夫婦ならそういうものなのだろうが、

よりにもよってこんなきれいな美女と寝ることになるなんて。


P子に申し訳ないような気分が襲ってくる。


するとF美が服を脱ぎ始める。


俺  「え!?!?」


F美 「?どうしたんです?」


俺  「いやこっちのセリフでそれは!」


F美 「今日はいいんですか?めずらしいですね。」


俺  「それはほら!F美の気持ちもあるし俺の気持ちもあるしね?」


F美 「いつものことじゃないですか。なにをいまさら」


俺  「とりあえず着てていいから!」


F美 「おかしな人ですねw」


俺  「今日は2人とも疲れたからさ!このまま寝ようよ!」


F美 「私は特に疲れてませんけど?」


俺  「あ、そうなんだ・・・でも着てていいよ!」


F美 「それだと私があなたに何も癒しを与えられませんよ?」


俺  「あ、じゃあ今日は俺が癒してあげるから!

    肩もみとかなんでも!ね!」


F美 「うーん。わかりました。」


なんとか服を着てくれるF美


俺  「(あっぶね~!!!こっちの俺は毎晩何してやがんだよ!!)」


F美 「では、ひとつお願いしてもいいですか?」


俺  「どうぞどうぞ!」


F美 「腕枕をしていただいてもいいですか?」


そうきたか・・・


いやさっきよりは、断然ましではある。

しかも、これ以上断るのも怪しまれるか?


俺  「・・・分かった」


F美 「では、失礼します」


そうして俺の布団に入り腕枕をする。


そして思った。


俺  「(やっぱ俺の腕太いな・・・これで寝れんのか?)」


F美はこちらを向いて、くっついて目を閉じている。


俺  「こんな腕で寝れる?」


F美 「はい。安心します。」


俺  「そっか・・・ならいいんだけど」


俺は緊張でどうにかなりそうだ。

鼻息とかかかってないかな。

呼吸の音とか心臓の音とかうるさくないかな。


そんなことを考えていると

F美の寝息が深くなる。


どうやら寝れたようだ。

改めて寝顔を見るがとても整っている。


なんでこんなデカ男が手に入れられたんだろう。

なんか今日の家庭の感じを見てると普段こき使われてそうだな。


なんとなくF美の頭を撫でてみる。


F美 「ふふ。ありがとうございます。」


俺  「あ、起こしちゃった!?」


F美 「まだ起きてましたよ。」


俺  「あ、そうなんだw」


ーカンカンカンカン


俺  「!?」


ものすごい音で鐘のような音が鳴る。


F美 「こんな遅くに何でしょうか!?」


俺は急いで着替えて外に出る


村人 「敵襲だ!!!!敵襲だ!!!」


村人 「ちくしょう!もう終わりだ!!」


俺  「敵襲!?」


F美 「あなた!あそこを!」


F美の指さす先は海で何隻もの船がこっちに向かってきている。


F美 「早く逃げましょう!」


俺  「逃げるってどこへ!?」


F美 「ひとまずどこか遠くへ!」


船はもうすぐそこに来ている。

間に合うのか!?


しかもこの村はどうなる!?


F美 「ひとまず簡単な荷物とお義父さんたちを連れてきます!」


俺  「ちょっと行ってくる!!!」


F美 「!?、どこにですか!?」


俺のこの身体なら、なんか負ける気もしなかった。


俺  「心配しなくていいから!」


俺は船に向かって走ろうとする。


すると後ろからF美に抱きとめられる。


F美 「必ず!必ず帰ってきてください。F美はここでずっと待っています!」


俺  「うん!待ってて!」


俺はF美を振りほどき船に向かって走った。

ざっと4隻ほどだ。


船着場から大きくジャンプして一隻目。

とにかく船員と船を力任せに壊していく。


やっぱり簡単だ。

この身体ならあと3隻もすぐだ。


そのまま勢いに乗って2隻目、3隻目と破壊した。


俺  「よし!あと一隻!!」


最後の船にジャンプしたときだった。


また目眩だ。


俺  「くそ、こんな時に!!!」


迫りくる船員たちがぼやける。

何とか応戦するがもう無理そうだ。


俺  「ちく・・しょう・・」



そして再び目を開けるとまた学校の渡り廊下にいた。


俺  「なんなんだよこれ・・・」


また学校の渡り廊下だ。

昨日に戻った?それとも時間が進んだのか?


とにかく頭が混乱した。


俺  「(あっちの世界はどうなったんだろう)」


すると1人の女生徒が横を通り過ぎていく。


俺  「・・・F美!?」


F美 「・・・・やっぱりね」


俺  「何でここに!?」


F美 「明らかに人が違ったもの。あなただったのね。」


俺  「え、どういうこと!?あの世界は!?あの後どうなった!?」


F美 「大丈夫です。あのあと目が覚めたあなたが最後の1隻を沈めました」


俺  「そっか・・・よかったぁ」


F美 「でも、あんな無茶はもうしないでください」


俺  「あ、いや、つい・・・あの身体なら行けると思って」


F美 「待っているこっちの身にもなってください」


俺  「ごめんなさい・・・」


P子 「あー!いた!!なんで先に学校行っちゃったの!!待ってたのに!」


俺  「P子!?(うわぁ・・・朝一緒に行ってなかったんだ・・・)」


F美 「こっちではあの子が彼女ですか?」


俺  「なんか知らないうちにそうなったというか・・・」


F美 「では、これはお返ししますね」


そう言ってF美は俺に指輪を渡し立ち去って行った。


P子 「今の子誰?」


俺  「あー知り合いというか」


P子 「あんたに女の子の知り合い!?怪しいんだけど!」


俺  「ほんとそういうんじゃないんだって!」


P子 「何受け取ったの?」


俺  「あ、いやこれは・・」


P子は無理やり奪い取る。


P子 「指輪!?なにそれ!!どういうこと!?」


俺  「いや!これはなんか違くて!!」


P子 「もう浮気だなんて最低!!」


怒って去っていくP子。


俺  「ちょ、まって!違うんだって!!」


俺はP子を追いかけながらも考える。


この世界にいるF美も俺と同じ体験をしている?

どういう仕組みなんだ?

何か知っているんだろうか・・・


てか昨日過ごしてたF美も同じ学校の生徒!?

P子にも勘違いされてるし、なんかカオスなんですけど!!!!


俺は走って教室に向かった。

~~おはよう自分。

  復職して何日か経ったがどうやら復職研修に割く時間がないらしく

  仕事に必要なツールの権限も切れた俺は

  一日中ずっと色々な資料を読み漁っている。

  誰からも声もかけられず。

   

  俺は周りから見えてるのだろうかw

  そんな思いから別の自分に生まれ変わって、

  違う世界に逃げたかったのかもしれない。


  強い自分になりたいのかもしれない。

  頑張ろう。


起床

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