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第31話 悪は滅んだ、という事になるのかな?

「とりあえずこの者は我が城の地下牢に放り込んでおこう」


 王子エリオがお付きと一緒に石化したグナガンを運ぶ、

 途中で解けるかもしれないのでスノちゃんがそこまではついて行くらしい、

 まだ魔王化の前だからさすがにそこまで閉じ込めれば害は無い、はず。


(俺としてはスティラ様が手に入れば、それで良いのです!)


「テイク殿、こちらの女性は」

「リーフのおじちゃん、彼女は目が覚めた時に、おいらを見るべき!」

「はあ」「最初に見た相手を、好きになる?」「いや疑問形で聞かれましても」


 小説版とか読んでたら、

 記憶を消された者がどうやって好きになり直すとか判明したんだろうけど、

 あくまでも実況民の俺はそこまでの情報は、無い。


(実況中なら視聴者に聞けたんだけどなぁ)


 城の門ではまだ奥から湧いてくる追加の敵を、

 マリーヌ・クリネ姉弟がやっつけてくれている、

 いったい何百人まで出るか試したい気もするが、もういいだろう。


「てっしゅーするよー、宝箱の取り忘れ、ないよねー?」

「ああ、我々が戦った甲斐があった、ありがとうテイク」「え」

「我々もだ、マティスリア国として礼を言わせて貰うぞテイク」「ええ」


 エリオ王子とドミニクの姐さんに頭を下げられた、

 ってアイテムみんな持って行かれちゃうのおおおお?!?!


(そういや、そのあたりの分配をちゃんと決めていなかったっけ)


 俺としては悪女さえ手に入れば良かったからね。


「また、おいらにおまかせさせてくれても、いいかなー?」

「わかった、また力になろう、例の修行場もまだまだ使わせて貰う」

「テイク、そろそろ一部屋で良い、我々にも作らせては貰えないか」「いや、それはちょっと」


 あくまで俺の悪女専用部屋だ。


「あの、私の部屋はあれでいいの?」

「マリーヌちゃんは、おーるおっけー!」

「これからも、クリネと一緒に使えるね」「姉さん、それなんだけど……」


 なんだか言い辛そうなクリネ。


「どうしたの?」

「……その、実は」

「あっ、また敵が沸いてきちゃう、みんな行こう!」


 とりあえずテイクの号令で城を、

 ここダングルキア国を離れる僕たち、

 これで一応は『悪は滅んだ』という事になるのかな?


(でも、でも相変わらず、空中移動は怖いようようよう)


 いくらドラゴンになって丈夫で広いとはいえ、この高さは苦手だ、

 こうなったら他所事を考えて、気を紛らわせるしかないな……


(四大悪女の半分は手に入れた、あと半分だ)


 本来なら魔界の王を介してダングルキア国と手を組み、

 悪の側について世界を荒らすあの連中、そこの女大幹部。

 更には重要人物を暗殺をしまったり、敵を逃がしまくるあの女盗賊……

 

(両方、とんでもまく悪い顔をしていて、それでいて魅力的な悪女だ)


 さらには『裏悪女』と呼ばれる二人、

 いや孤児院で絶賛職員中のエバレイ姐さんじゃないよ!

 このあたりは一人は場所はわかっている、うん、遠いけど。


(もう一人は、アレはなあ、アレはアレだしなあ……)


 悪女好きの俺でも躊躇する、そんなアレはまたの機会に。

 とにかく、まだまだこの世界には他にも悪女は居るかもしれない、

 シリーズ全ての世界が繋がっている以上は、続編の悪女だって、きっと……!!


「おいらの悪女ハーレムは、まだ、始まったばかりだーー!!」

「テイク少年、うるさいぞ」

「ごめんよう、ミラールさん」「早く自動販売機のうどんが食べたいよ」


 うん、みんなに色々とご馳走しなきゃ!


 =3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3


 帰路の途中、まずドミニク姐さんとファルちゃんが、

 マティスリア国へ一足先に報告のため帰るという。

 地上まで降りて、ついてきている騎馬隊の一団の元へ。


「王子、しばらくスノを頼んだ」

「丁重にお迎えする、何も心配はいらない」

「ではな、また会おう」「ありがとうございました!」


 全体にそう言って去って行くふたり、

 まあね、どうせ俺なんて、僕なんて、おいらなんて、

 そう思っているとファルちゃんが旋回し、近づいて俺の頬へ……


 チュッ


「またね」


 と、顔を紅らめて離れて行った……


(ま、まさか親愛度!!)


 ……良かった、Aで留まっている。


「テイク少年」

「はい、ミラールさん」

「……妹を貰うなら、私達はあの修行場に入り浸るぞ」


 悪女しか、らめええええええええ!!!


「おいら、お姉さんがいい!」

「えっ、テイク少年……わ、私?!」

「ちがうちがう! かんちがいはよくなーい」


 その直後の飛行は、

 かなり危なくて怖いものでした。


(怒らせちゃった……クスン)


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「さあ、到着だ」

「うー、おいら、一番怖いのは、人間だった!」

「何を言っているんだテイク少年、もう許してやる」


 ここでみんな解散かな、と思いきや、

 みんなぞろぞろと修行場へ入っていく、

 そして自販機やらシャワールームやらへ……


(まあ、俺もここは実家のような安心感だ)


 いや、むしろ実家か。


「テイク、彼女はどうする」

「ゼッカ様! ソファーに置いて」


 横に寝かせて毛布をかける、

 早く彼女の部屋を作ってしまいたいが、

 スティラ自身がポイントを稼がないと作れないルールだ。


「……よし、テイク、作らせてもらったぞ」

「王子様、何を? カップ麺?」

「我々の部屋だ、まずはひとつ、確保させて貰ったぞ!」


 いやああああああああ!!!


「おっ、この扉か、うん、良い寝室だ」


 俺もまだ作ってないというのに……トホホ。


(まあいいや、俺の記憶が正しければ、まだ奥の手はある)


 プライベートな寝室は五つまでしか作れない、でも……


「クリネ、それは本当?!」

「うん、ごめん姉さん、でも、僕、僕は……」

「マリーヌさん責めないであげて下さい、私達で決めたんです」


 あれ? 何か揉めている?!

 姉弟になぜかスノちゃんまで加わって、なんだろう。


「どうしたの?」

「テイクくん、僕、決めたんだ、このスノ姫について、マティスリア国へ行くって」

「私の、私だけの騎士になってくれるって、私、嬉しくって……」


 まさかのカップル成立きたあああ!!!


(スノちゃん、ナーイス!!)


「ねえクリネ、たまには戻ってくるよね?」

「戻るっていうか、ここへは来るよ姉さん、ポイント交換に」


 やはり自販機の味が忘れられないらしい、

 基本的にここの物はここで消化(ゲームアイテム除く)だから、

 カップ麺を雪国に大量輸出(輸入?)はしてくれるなよ、と後で釘を刺しておこう。


「では、おそばをいただきましょうかな」

「勝手に食っててハゲ!」


 いや、みんなに奢るんだった。

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