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第16話 やはりこのゲームは集団戦がモノを言う

「テイク少年、前も思ったけど、ここは気味が悪いくらい快適だな」

「ねえテイクくん、山賊のひとりがここの研究者だったりしない?」

「おいら、よく、わかんねえ!!」


 いや単なるDJ崩れに冷暖房システムとかの詳細って知らないよ!

 エアコンから水漏れが始まったらほとんどの場合は外のホースの詰まりだから、

 ホームセンターで吸い出す装置を四千円くらいで買ってくるって程度しか知らない。


(あと古い掃除機で吸っても直ったけど、水浸しになったよ!!)


「ふむ、やはり城から技術者を派遣するか……テイク少年、良いな?」

「いやだ! いやだいやだいやだー!!」

「なぜだ? 我が城や砦にも採用できればテイク少年も一緒に過ごせるぞ?!」


 いやいや四姉妹ハーレムとか五つ子ハーレムとか要らないから!

 後者の漫画、あれ最後、主人公が五等分にされて終わるじゃないだろうか、

 その場合は下半身の奪い合いになるね! なんてことは置いといてだ。


(ポイント集めてアレのまだ読んでない続きは買えないだろうか)


 ネットが繋がればワンチャンあるな、

 もしPCをポイントで入手できてWiFi接続ができれば、

 真っ先に『フリーセルマン』の所へ行ってフリーセルで遊ぶんだ……


「ねえテイクくん、どうして嫌なのかきちんと説明してくれる?」

「敵に、敵にアジトを狙われる!」

「……少年が話していた悪の一派か、この近くの遺跡が最終決戦の場になるという」


 僕は子供のつたない説明ながら、

 改めてここの重要性と敵の危険性、

 ここがバレたら、情報が洩れたらまずいかを説明した。


(そりゃあもう必死に、ええ、文明を取り戻すために!)


 ちなみに石にされた人とか居ないよ?

 封印された竜の少女ならどっかに転がっていた気がするけど。

 ……俺が合法ロリを趣味としてたら、真っ先に拾いに行ってたな。


(という事が頭を過ぎりながら、なんとか伝わったみたいだ)


「よしわかったテイク少年、少年の言いたい事は理解できた」

「平和にするために、仕方ないんだ、おいら、おいら……世界を救いたい」

「主張はわかった、だが我々に、いや私に言われて欲しい事がある、それは……」


 しゃがんで僕の目を真っ直ぐに見てきた!!


「テイク少年が『悪』では無いと言う保証が、どこにも無い事だ!!」


 ぎくりっ!!!


「……目を逸らすな」

「い、いや、おいら、怖い……」

「テイク少年の希望通り、ここで強くなったとしてだ、悪の軍勢を率いて『我々こそが正義だ』とならない保証は、無い」


 ……いざとなったら悪側になってもいいって、

 俺が考えていた事が筒抜けになっているんだろうか?

 この子ってそんなに勘の良いキャラクターだったっけ。


(まあいい、とにかく今はここを切り抜けよう)


「だったら、おいらといっしょに……住む?」

「いやそれはできないよ、私だって女の子なんだよ?」

「ミラールお姉ちゃんが、乙女になってる……」


 いやいや俺を騎士団の女性寮で小間使いにしようとしてたくせに!!


「一緒に強くなれば、一緒に悪い奴らを、やっつけられる!!」

「うーん、少年の言う事を信じるには、もっと裏取りをさせて貰わないと」

「あのね、テイクくんは嘘はついてないと思うけど、隠している事もいっぱいありそう」


 四女まで勘が良い!

 いやこれ多分、見えない力というかシナリオ的な問題?!

 だったら俺の思う通りの、想い描いたストーリーに動いて欲しいのだけれども……


「まだうまく、説明できていないだけだから! ミラール、さん、ファルちゃん、信じて一緒に強くなって!」

「本当に、本当に私達で、その悪を倒せるのか?」「私も強く……なれる?!」

「だいじょーぶ、まーかせて! おいら、おいらここで、どびっきり強くなって、集団で敵を倒す!!」


 元々このゲームは戦争ゲームだ、

 集団の駒がモノを言う、その駒は多ければ多い程良い、

 死んだら基本的には生き返らないけど……あっ、でも……


(ポイントで蘇生アイテムを手に入れられれば、無限に!)


「わかった、では少年、監視として定期的にこちらへ伺わせて貰う」

「ねえミラール姉さん、やっぱり一旦テイクくんを持ち帰って、通いにしたらどうかな」

「やだいやだい、おいら、ファルちゃんのおもちゃにされたくないやい!」「んもう……」


 うん、おもちゃにされるなら悪女にあんなことやこんなことをされたい。


「ではとりあえず、こちらで手に入る『ポイント』とやらを稼ぐか少年」

「うん、おいら、嬉しい!」

「無理しないでね、また頭、打ち付けたりしないで」


 あれはまあ、必死だったから。


「ポイントいっぱい、いーっぱい溜めて、おいら、パンをご馳走する!!」


 実際に強くなったら認めてくれるだろう、

 そうして、出来るだけ早くこのアジトを強化して、

 態勢を整えて、そして、そして……早いうちに魔王を倒す!!


(そのついでで、最大の『悪の魔女』を、手に入れるんだーー!!)


「じゃ、スライム退治から、いってみよーーー!!!」

「あ、待って少年」「私達も、その、お花摘んで来るね」「あっ」


 女子トイレに入って行った……


(よし、今のうちにポイントで入手できるリストの確認だあー!!)


「ええっと、こんにちわ」

「ヨウコソ、タダイマ 1 ポイントデス」

「この姿もカスタマイズできる?」「500 ポイント ヒツヨウデス」


 木目の木偶人形、

 変更できるんだ……でも当分は、いいかな。

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