表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジー小説(仮)  作者: 諸星中央
28/30

28

 呪術に詳しくはなかったが、概論書を読んでいくと結局術というものの根源はおなじなのだと推測できた。聖術は己に、魔術は他者に、そういう基本姿勢は能力を求める最初にあって、それでそれぞれが術法をつかみ取った。己を守るためにつかみ取った聖法にたまたまこの世界の人間が適した器を持っていただけのことで、きっと向こうにも訓練によって聖術を身につけた魔物はそれなりにありふれたものなんだろう。


 呪術に適した器というものの記述はない。ただ、呪術は自然環境と深くつながっていることは理解できた。やたらに肌を露出し、露骨な人造物を嫌い、野に交じって生活すると聞く東洋人が呪術を生んだのも、恐らく自然な成り行きだったのだろう。東洋思想の体系化はまだこちらでは実現されていない。本質的に呪いを知りたければ、彼らの思想も問いたださねばならないのかも知れない。


 呪術は我々の理解よりもっと広いものなのだと、手に馴染むくらいの厚みのこの概論書でさえ、分かる。呪術による野焼き、雨降らし、生体の活性化、治癒、破壊……究めれば聖術よりよほどなんでもできそうに見える。いったい、呪術のなにが弱点なんだろう。呪術の結果としてありがちな呪いというものは、他から見てなにに欠けたものなんだろう。


 立って書棚へ概論書を戻した。次に読むのは、呪術の導入書籍だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ