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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンと一途なプレイボーイ
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8 何もしないが首は突っ込む

 「で、乙子はどうするの?あの静香さんの双子のお兄さんと、

撫子さんの仲を取り持ってあげるの?

でもああいうチャラチャラしたプレイボーイ風の男、

撫子さんは嫌いなんじゃないの?

そりゃあ顔は大層な男前で女の子の扱いにも慣れていそうで、

実際凄くモテるんだろうけど、

そんな表面ヅラだけの男にホイホイ引っ掛かる人じゃないでしょう?

あなたのお姉さんは」

 「はい。実際にお姉ちゃんはあの人からの告白をハッキリと断ったんですが、

色雄さん、あのお兄さんは諦めていないみたいで・・・・・・」

 「意外としぶといのね。

それだけ撫子さんへの想いは強いって事なのかしら?

ところで、撫子さんには彼氏とか、片想いの相手とかは居ないの?」

 「彼氏は居ないと思います。

片想いの相手も、多分、居ないと思います。

そういう事には、興味はあるみたいなんですけど・・・・・・」

 「恋に恋する乙女って訳ね」

 「その表現、お姉ちゃんが聞いたら凄く怒ると思います・・・・・・」

 「あら、それなら今度言ってあげなくちゃ」

 「そういう事を言うから、

いつもお姉ちゃんと険悪な雰囲気になるんじゃないですか?」

 「私の方は別に撫子さんと険悪な雰囲気にはなっていないわよ?

私はむしろ撫子さんが大好きだもの」

 「その感情を、もう少し素直に伝えてあげてください・・・・・・」

 「考えておくわ。

それよりも、今はあのチャラ男から、

撫子さんをどう守るかを考えないといけないでしょう?

乙子には何かいい考えがあるの?」

 「いえ、正直言って、ありません・・・・・・。

どうすれば色雄さんがお姉ちゃんの事をあきらめてくれるのか、

全く分からないです」

 「一番いいのは、撫子さんに、誰か他に好きな男を作らせる事ね。

例えそれが片想いだとしても、

あのチャラ男が言い寄って来るのを断る理由としては十分でしょう。

他に好きな相手が居るとなれば、いくらあきらめの悪いプレイボーイといえど、

撫子さんをあきらめざるを得ないわよ」

 「な、なるほど。だけど、そんな相手が居るんでしょうか?」

 「撫子さんに直接聞いてみればいいじゃないの。

私が聞いても絶対に言わないでしょうけど、

あなたなら教えてくれるでしょうよ」

 「ちょ、直接聞いたとして、

もしお姉ちゃんに好きな人が居なかったら、どうするんですか?」

 「その時は、私にいい考えがあるわ」

 「いい考えって?」

 「それは、撫子さんに片想いの相手が本当に居ないって分かったら教えてあげる」

 希里はそう言って、清純なお姫様を罠にかけようとする、

悪い魔女のような笑みを浮かべた。

それを見た紳士クンは不安な気持ちしか湧いてこなかったが、

今の所他にいい方法も思いつかないので、とりあえずは今夜、

撫子に片思いの相手が居ないか聞きだす事にした。

 (希里お姉様、何もしないとか言いながら、

思いっきり首を突っ込んできてるような・・・・・・)

 と思いながらも、それは口に出さない事にした紳士クンだった。



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