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9 このシリーズの最終回の光景
するとそんな中、今は身も心も女になっている凄木令奈が、
音頭を取るようにこう言った。
「さあみんな、この日本一、
いえ、世界一男らしい紳士クンを胴上げしましょう!」
その掛け声に他の女子達も口々に
「賛成!」と叫び、
皆で紳士クンを寄ってたかって持ち上げ、
リーグ優勝を決めたプロ野球チームの監督のごとく胴上げを始めた。
「わ~っしょい!わ~っしょい!」
という彼女達の掛け声とともに、紳士クンの体が宙に舞う。
胴上げをされるのが初めての体験だった紳士クンは初めこそ戸惑ったものの、
自分の男らしさを称えて胴上げをされている事に、
えも言えない優越感が湧いてきた。
(ああ、僕はとうとう、理想の男らしい男になる事ができたんだなぁ)
そう思うと、胴上げされて宙に舞う体が、
どこまでも舞い上がって行きそうな感覚になった。
しかし、次の瞬間。
紳士クンを胴上げしていた彼女達の姿が突然消えて、
辺りは真っ暗闇となり、地面もなくなって、
紳士クンはそのまま真っ逆さまに落下した。
「え?うゎあああああっ⁉」