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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第三話 紳士クンと乙女の集い
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36 勝利の行方は

その後、すっかり集中力を取り戻した紳士クンは本来の動きに戻り、

真子の動きをうまく封じた。

そして本気モードになった静香は更にキレのある動きを見せ、

守備では真子から尚へのパスをことごとくカットし、

攻撃では尚が指一本触れる暇もなく、ボールをゴールの中へ突き刺した。

 そして気がついてみればスコアは九対九で同点となり、チーム図書館の攻撃を迎えた。

 ボールを持ったのは静香。

その静香に、今度は真子がマークについた。

真子にはもはやさっきまでの余裕は微塵(みじん)もなく、

とにかく目の前の静香を止める事しか頭になかった。

何しろ全くの運動音痴だとタカをくくっていた静香に、

ここまで苦戦させられているのだ。

スポーツでは人一倍の負けん気を持っている真子としては、

たかがお遊びのこの試合でも、絶対に負けたくはなかった。

 その静香が、右足を大きく右へ踏み出し、真子をかわそうとした。

それに素早く反応した真子は、絶対にかわされまいと、

左手を出してそのボールをはたき落とそうとした。

が、すでにそこにボールは無く、

瞬時に反対側に切り返していた静香は左に動いて真子を振り切り、

ボールを額の前に掲げてシュートを放った。

そのボールはゴールへ向かってゆっくりと近づいて行き、

コートに立つ全員がその行き先を見守る中、

ボールはスパッと綺麗な音を立て、

ゴールリングの中央へ突き刺さった。

そしてこの瞬間、チーム図書館の勝利が決まったのだった。

 「やったぁっ!」

 ゴールが決まった瞬間、紳士クンは両手を挙げて喜びの声を上げ、

静香の元へ駆け寄った。

 「凄いです静香さん!大逆転ですよ!やりましたね!」

 嬉しそうな声を上げる紳士クンに、静香は控え目に、

 「はい、やりました・・・・・・」

 と返す。

するとそこに尚もやって来て、大層感動した様子で口を開いた。



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