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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第三話 紳士クンと乙女の集い
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28 桃尻ドリブル

 そして攻撃にまわったチームお金持ちは、

まず尚がボールをキープしてゴールを目指す。

その前に紳士クンが立ちはだかり、

ゴール前で動き回る真子にパスを出されないよう、静香がマークについた。

 「さあ、行きますわよ!」

 尚が声高らかにそう叫び、ドリブルをしながら紳士クンと向かい合う。

しかし気を取り直した紳士クンも、

 「ここは通しません!」

 と返し、尚の行く手を阻む。

すると尚はボールを取られまいと紳士クンに背を向け、

その背後から何とかボールを奪おうと、紳士クンが手を伸ばす。

と、その時だった。


 グニィッ。


 と、これまた何ともやわらかく、

ピチピチに熟した大きな桃のような感触が、

紳士クンのお股を襲った。

 (こ、これは、まさか・・・・・・)

 そう、そのまさかである。

紳士クンのお股を襲ったのは大きな桃ではなく、

尚のその胸にも劣らぬ豊かでやわらかなお尻であった。

尚はそのお尻を惜しげもなく紳士クンのお股にグイグイ押し付けてくるのだ。

こう表現すると、

尚がいかにもハレンチな態度で紳士クンに迫っているように誤解されるかもしれないが、

そうではなく、それほど運動が得意ではない尚は、

華麗にドリブルで紳士クンを抜き去る事が出来ない為、

ボールを取られないようにゴールに近づこうと思うと、

こういう動きになってしまうのだ。

 (は、はぅああああっ⁉)

 再び声にならない叫び声を上げる紳士クン。

紳士クンの男のシンボルにグイグイ迫りくる巨大な桃に、

紳士クンの頭はまたもや真っ白になってしまった。

 (これはよくない!さっきよりもよくないよ!)

 このままでは紳士クンの荒ぶる男の魂がムクムクと頭角を現してしまう。

それを色んな意味で防ごうと思うと、

紳士クンは嫌でも及び腰の体勢にならない訳にはいかなかった。

すると尚は更にグイグイとお尻を押しつけて来て、

(正確には、背を向けたままゴールに近づこうとしているだけなのだが)

それを避けようとする紳士クンは、及び腰のままどんどん後ずさりをする。

と、その時、静香のマークを振り切って近づいて来た真子が

 「尚!こっち!」

 と声を上げ、尚からパスをもらうと、鋭いドリブルでゴール前に走った。

 「行かせない!」

 と、紳士クンも真子の後を追おうとした。が、

 ドン!

 と、真子のすぐ後ろについていた静香とぶつかってしまい、

二人はそのままコートに尻モチをついた。

そんな二人を尻目に真子は悠々とゴールを決め、チームお金持ちが先制点を奪い取った。



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