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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第三話 紳士クンと乙女の集い
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8 静香の指の感触しか認識できない

 「え、えぇっ?」

 その行動に、思わず目を見開いて声を上げる紳士クン。

 (こ、これって、静香さんの手から、

ちょ、直接、食べさせてもらっても、いいって事なのかな?)

 紳士クンはそう思いながら凝り固まってしまったが、

口を開けばすぐにでも食べられる所にクッキーを差し出されている以上、

それを自分の手で受け取るというのも逆に不自然だった。

 (じゃ、じゃあ、食べても、いいんだよね?)

 そういう結論に達した紳士クンは、遠慮がちに口を開け、

目の前のクッキーをパクッとくわえようとした。

するとそれと同時に、

静香が少しだけクッキーを持った手を紳士クンの口に近付けるようにしたので、

クッキーをくわえた紳士クンの唇に、

静香のしなやかで柔らかな指先がチョコンと触れた。

 (ん、んんーっ⁉)

 その瞬間、紳士クンは心の中で声にならない叫び声を上げ、

耳たぶまで真っ赤になった。

 (い、今、静香さんの指が、僕に唇に、う、うゎああああっ!)

 口の中に入ったクッキーをモグモグしながらも、

紳士クンの心臓はその事で今にも破裂しそうであった。


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