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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンと尚のお誘い 
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3 コソコソする静香

 そう思いながら紳士クンが占いの館を出て廊下をしばらく歩いて行くと、

校舎の階段に続く曲がり角の所に身を隠し、

コソコソと階段の様子をうかがっている女子生徒の姿があった。

ちなみにそれは撫子のクラスメイトであり、

紳士クンの友達でもある、迚摸(とても)(しず)()だった。

今日も茶色いセミロングの髪を後ろでお団子にしている彼女は、

紳士クンが男だという事を知っている数少ない人物で、

学年は紳士クンよりひとつ上だが、

紳士クンが撫子以外で最も心を許している人物と言ってよかった。

静香にしても、昔から男兄弟に囲まれて育ち、

バカな双子の兄貴のせいで極度の女性恐怖症に(おちい)ってしまったという事もあり、

男の紳士クンはこの学園で唯一心を許して接する事のできる存在と言ってもよかった。

ただしその感情が恋愛なのかどうかは、かなり疑問な部分なのだが・・・・・・。

 それはさておき、静香はこの学園で図書委員をしており、

昼休みと放課後は、大体学園の中央に位置する図書館に居る。

それが今日はこんな所でコソコソしているというのは、

どういう事だろうと思った紳士クンは、遠慮がちに静香の背後から声をかけた。

 「あ、あの、静香、さん?」

 「ひっ⁉」

 紳士クンの呼びかけに、そう声を上げてビクンと背中をのけぞらせる静香。

そして恐る恐る振り返り、呼びかけた声の主が紳士クンだという事を知ると、

その場にへたりこみそうな勢いで脱力しながらこうつぶやいた。


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