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2 食い意地と睡眠欲と、尽きる事のないイタズラ心
その日の昼休み、お昼御飯を手早く済ませた紳士クンは、
再び占いの館を訪れ、昨日アドバイスをくれた香子に、
愁衣と無事に仲直りができた事と、
そのままなし崩し的に守護霊になる事になった事を報告した。
それを聞いた香子は、
「まあ、よかったんじゃない?」
と言い、至極真剣な顔つきでこう続けた。
「でも、本性を現して悪さをしでかすようなら、
いつでも言ってくれればいいからね?
私はそういうモノを成仏させたり追い払ったりする術は体得しているから」
「そ、その時はよろしくお願いします」
紳士クンはそう答えはしたものの、
愁衣が腹の底に何か黒い物を秘めているとは、到底思えなかった。
腹の底にあるものと言えば、食い意地と睡眠欲と、
尽きる事のないイタズラ心だけのような気がする。




