表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンとつきまとう乙女
40/147

29 これからは同じ部屋で寝る方向で

 「あ・・・・・・れ・・・・・・?私、寝ちゃってた?いつの間に?」

 そう言って首をひねる撫子に、紳士クンは慌ててこう返す。

 「な、何か、ケーキを食べてから急に寝ちゃってたよ?

お姉ちゃん、ちょっと疲れてるんじゃない?」

 「そう、なのかしら?

何か、寝てたと言うより、この少しの間の意識が完全に抜け落ちてるというか、

ケーキをひと口食べた所までは覚えてるんだけど・・・・・・」

 「その後ケーキを全部食べて、コーヒーも飲んでたよ?その後急に寝ちゃったんだよ」

 「そ、そう?」

 紳士クンの言葉に撫子は首をひねったが、

確かにケーキを食べた感じは口の中に残っているし、

ブラックコーヒーを飲んだ後のあの苦い感じも、口の中に広がっている。

 (じゃあ紳士の言う通り、ケーキを食べた後にいきなり寝ちゃったのね)

 そう納得した撫子は、それ以上あれこれ考える事はせず、

紳士クンにケーキのお礼を言った。

一方何とか事なきを得た紳士クンは心からホッとして、自分の部屋に戻ったのだった。

 こうして紳士クンに、生まれて初めての幽霊のお友達ができた。

そしてその幽霊のお友達は紳士クンがベッドに入って眠る時も、

同じ部屋で鼻チョウチンを膨らませ、スヤスヤと眠りながらプカプカと漂うのであった。

 「スピー・・・・・・スヤスヤ・・・・・・」プカプカ。

 (ね、寝る時くらいは、姿を消しておいて欲しいな・・・・・・)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ