表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンとつきまとう乙女
37/147

26 幽霊にもちゃんと謝る紳士クン

 「あの、昨日は愁衣さんにあんな事をさせてしまって、本当にすみませんでした。

不慮の事故とはいえ、僕がいけなかったです。

そのお詫びと言っては何ですが、

どうかこのケーキで許してはもらえないでしょうか?」

 すると愁衣はもうさっきまでの怒りはどこへやらで、

目の前のケーキを早く食べたいという一心でこう返す。

 「許すわよ許すわよ♪ああ、また生身の体でお菓子が食べられるなんて夢みたい。

ねぇ、これ、食べていい?いいのよね?」

 「ど、どうぞ」

 紳士クンの言葉に愁衣は

「いっただっきま~す♪」と言うと同時に、

目の前のショートケーキをひと口分フォークですくい、

それをパクっと口の中に放り込んだ。

 「ん~♡おいし~い♡ケーキってこんなにおいしいモノだったのねぇ・・・・・・」

 両手で自分の頬を包み、うっとりとした表情で声を漏らす愁衣。

その表情はさっきの撫子のほころんだ顔よりも三十倍くらいほころんでいた。

そしてあっという間に目の前のショートケーキを平らげてしまったので、

紳士クンが自分の分のショートケーキも(すす)めると、

愁衣はそれもパクパクとおいしそうに頬張り、またあっという間に食べきった。

そしてブラックコーヒーもすっかり飲み干し、

これ以上の幸せはないくらいの笑みを浮かべて息をついた。

 「はぁ~♡おいしかったぁ♡」

 「よ、喜んでもらえてよかったです・・・・・・」

 紳士クンがおずおずとそう言うと、愁衣はテーブルに頬杖をつき、

ズイッと紳士君に顔を近づけて言った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ