表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンとつきまとう乙女
34/147

23 撫子の事情

では一体どういう訳で撫子はこういう振舞いになっているのかと言うと、

撫子は先日、占いの館で自分の心の中を(あな)田野(たの)香子(かこ)に赤裸々に暴かれ、

それを紳士クンに聞かれてしまった。

おまけにその日の夜に立ち直れないほどに落ち込み、

しかもそれを慰めてもらう為、紳士クンに一緒に寝てもらった事が、

姉としてとてつもなく恥ずかしかったのだ。

今まで事あるごとに紳士クンのピンチを救い、

たくましい姉として振る舞って来た撫子としては、

自分の超ブラザーコンプレックスな部分を紳士クンに知られ、

おまけにあんな情けない醜態(しゅうたい)までさらしてしまった自分が、

とてつもなく恥ずかしく、かつ許せないのだった。

 (このままじゃあ私は、

ただのブラコンのなよなよした情けない女になってしまうじゃないの!)

 それはまさに今日の香子が見せた、水落衣に対してこびるように話しかけたり、

ツレナイ態度をとられて激しくショックを受けるようなもので、

プライドの高い撫子はぜっっっっっっっっったいにそうはなりたくなかった。

(撫子は香子がそこまでのシスコンだという事は知らないが)

なのでこれからも強くて勇ましい姉としての威厳を保つ為、

これまで以上に紳士クンには厳しい態度で臨み、

例え自分のお気に入りの洋菓子店のショートケーキを目の前に出されても、

ホイホイと飛びつかないようにしようと、心に決めたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ