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3 女の撫子が女性らしいのは当然
撫子は女子部の制服を着ているのだが、
紳士クンと同じくらいのショートカットだった髪は、
いつの間にか背中までのびていて、
物腰もいつもの男勝りでシャッキリした雰囲気ではなく、
なよやかでいかにも女性らしいものだった。
(お姉ちゃんって、こんな雰囲気だったかな?
それにいつの間にこんなにも髪がのびたの?)
そう思った紳士クンは、思わず撫子に尋ねる。
「お姉ちゃん、いつの間にそんなに髪がのびたの?
それに今日のお姉ちゃん、いつもと違って妙に女性らしい雰囲気だよね?」
と、言ってから、慌てて自分の口を両手でふさぐ紳士クン。
そんな事を言えば撫子の機嫌を損ね、
手痛いお仕置きを受けるのは火を見るよりも明らか。
今までにも紳士クンはそうやって、
悪気はないが撫子のプライドを逆なでしてしまい、
幾度となく痛い目にあってきたのだ。
今回もそのような事になるのではと思い、紳士クンは思わず目をつむった。
するとそんな紳士クンの無防備な額に、撫子の制裁が加えられた。
ただしそれは紳士クンが思っていたような、
痛みをともなうモノとは大きく違っていた。
ちょん。