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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンとつきまとう乙女
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13 館の前に占い姉妹

その二人の女子生徒は、占いの館の主である(あな)田野(たの)香子(かこ)と、

その妹である(あな)田野(たの)水落(みら)()だった。

香子は背が高く、緑がかった艶のある髪をひとつにまとめて左の肩にたらし、

自分をより占い師らしく見せるために背が高くてツバの広い三角帽をかぶり、

背中には紺色のマントをはおっている。

三年生という年齢以上に大人びて妖艶なオーラをまとう美女で、

その整った顔の中に光る怪しい瞳に見つめられると、

まるで心の奥底まで見透かされてしまいそうであった。

(実際に見透かされてしまうのだが)

そんな香子の正面に立つ妹の水落衣は、香子よりも頭ひとつちょっと小さく、

香子と同じ色の髪を後ろでひとつにまとめてみつ編みにしている。

顔だちこそ姉の香子と同じく抜群の器量を持ち合わせているが、

そこから放たれる雰囲気にはまだあどけなさがあり、

自信満々で堂々たる物腰の香子とは対照的に、

どこか不安げで大人しそうな物腰である。

ちなみに相手の過去を透視する能力を持っている香子に対し、

水落衣は相手の目を見ると、その相手の未来を透視する能力を持っている。

少し前は相手の目を見ると、

視えた相手の未来を無意識に口走ってしまっていたのだが、

紳士クンとの特訓のおかげで、その欠点を克服し、

うまくその力を自分でコントロールできるようになった。

その水落衣は今日はいつもと違い、

ツンケンした様子で目の前の香子と対峙している。

そして香子の方もいつもの堂々とした雰囲気とは違い、

目の前の水落衣の機嫌をうかがうような声色で何やら話かけている。

紳士クンが歩み寄って行くと、その内容が紳士クンの耳にも入って来た。



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