12 あの人に相談
(令太クン、何か怒ってた、のかな?
僕って男友達がほとんど居ないから、
そういう所が今ひとつわからないんだよね。
これからもっと令太クンと仲良くなる為にも、
そういう男心も分かるようにならなくちゃ)
令太と別れて教室を出た紳士クンは、
一人で廊下を歩きながらそんな事を考えていた。
ちなみに今はもう放課後だが、校舎の玄関には向かわず、
校舎一階の奥にある、とある部屋に向かっていた。
それは三年の孔田野香子が営む『占いの館』で、
以前紳士クンは撫子と一緒にここを訪れ、
館の主である香子に色々と占ってもらった事があるのだ。
香子は相手の目を見ると、
その相手の過去や心の中や人となりを視通す能力を持っており、
その能力を駆使し、この学園の数多の女子生徒達の心の中を透視して、
身も蓋もないアドバイスをしてきた。
それは占いというよりも、
人の心を文字通り覗き見ているのと何ら変わりないのだが、
自分の能力を公にしない為に、
香子はこの能力を『占い』の体にして使っているのだ。
そんな不思議な力を持っている香子に相談すれば、
愁衣への対処法を何か教えてくれるかも知れないと思い、
紳士クンは占いの館へと向かっていた。
そして目的の占いの館の近くにたどり着くと、
占いの館の扉の前で、何やら二人の女子生徒が言い合っているのが目に入った。




