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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンとつきまとう乙女
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11 内心死ぬほど嬉しい

 これでもかというくらい魂のこもった令奈の言葉が、教室に響き渡る。

そのあまりの声の大きさに、

教室に残っていた女子生徒達の視線が令奈に集中する。

そんな中令奈はひとつ咳払いをし、極めて静かな口調になって言った。

 「い、嫌じゃ、ねぇよ。こ、今度、お前の家に、遊びに、行くよ」

 「ホント?嬉しいなぁ♪僕、楽しみにしてるからね♪」

 「お、おぉ・・・・・・」

 両手を合わせて心の底から嬉しそうな顔をする紳士クンから、

顔をそらしながら令奈は返事を返す。

そして心の中から湧き上がる、嬉しいような、恥ずかしいような、

照れるような、何とも言えない妙な気持ちと葛藤していた。

 (何で俺はこんな浮ついた気持ちになってんだよ⁉

こいつは男なんだぞ⁉知り合いの男の家に男の俺が遊びに行くだけなんだよ!

こんな妙な気持ちになる筋合いはひとつもねぇんだよ!)

 そう思いながら、自分のみぞおち(、、、、)を右の拳でドンドンと叩く令奈。

それを見た紳士クンはまたびっくりして、ハラハラした口調で声をかけるのだった。

 「れ、令奈ちゃん?大丈夫?やっぱり僕なんかの家に来るのは・・・・・・」

 「だから、嫌じゃねぇっつってんだろ!」

 二人の友情が深まるのには、もう少し時間がかかりそうであった。



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