10 片想いの女の子の家に招待された時のような男の反応
「へ?もちろんいいよ?令奈ちゃんの都合さえよければ」
「だってお前、出会って間もない男を家に呼ぶとかいうのはどうかと思うぞ?」
「へ?」
令奈の言葉に目を点にして首をかしげる紳士クン。
この時令奈は、ハッと思い出した。
紳士クンはこの通り見た目も仕草も声すらも、完璧に女の子なのだが、
体と精神は立派(?)に男の子だったという事を。
そして令奈も今は容姿端麗な女子生徒として、
エシオニア学園の女子部に通ってはいるものの、身も心も完全に男である。
なので、紳士クンは自分が男の立場で、
男友達の令太(、、)を自分の家に誘っただけなのだ。
決して年頃の女の子が、
無防備にも思春期バリバリのエロ男子を自分の家に誘った訳ではないのだ。
その事にようやく気付いた令奈は、両手で自分の頬を思いっきりビンタした。
(しっかりしろ俺!こいつは見た目はこんなだが、歴とした男じゃねぇか!
なのに何で変な勘違いをしてるんだ!)
一方そんな令奈の頭の中を露も知らない紳士クンは、
いきなりの令奈の行動にびっくりして声を上げる。
「ど、どうしたの?僕、何か変な事言ったかな?
そ、それとも、僕なんかの家に来るのは、嫌、かな?」
「嫌じゃねぇよ!」




