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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンと一途なプレイボーイ
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10 デリケートな話題を切り出すタイミングとテクニック

 (そんな事を聞くと、何でそんな事聞くんだって言われるだろうし、そうなると、

色雄さんのデートの申し出の事を話さなくちゃいけなくなるだろうし、

う~ん・・・・・・)

 と、頭の中で言葉をグルグルさせていると、

「そういえば」と、撫子の方から話を切り出してきた。

 「あんた昨日、静香さんと一緒に例の女の子の家に遊びに行ったんだって?」

 「ああ、針須さんだね。静香さんに聞いたの?」

 「そうよ。静香さん、すっかりあの子と仲良しになれたみたいじゃない?

休み時間の時に、それは嬉しそうに話してくれたわ。

これも全部あんたのおかげだって、大層感謝していたわよ?」

 「そ、そんな、僕は何もしてないよ。

それより、お姉ちゃんも最近は、すっかり静香さんと打ち解けたみたいだね?」

 「そうね、最近やっとこさ普通におしゃべりしてくれるようになったわね。

まだちょっと向こうは遠慮している感じはするけど」

 「でも、極度の女性恐怖症だった静香さんとそこまで打ち解けられたのは、

凄い事だよ。流石はお姉ちゃんだね」

 「フフン、それくらいどうって事ないわよ」

 撫子はそう言うと、右手の人差指で鼻の下を軽くこすった。

撫子が得意気な気持ちや上機嫌になった時に出るクセである。

それを見て取った紳士クンは今こそチャンスとばかりに、例の話題を切り出した。

 「ところで話は変わるけど、お姉ちゃんは()、付き合っている男の人は居るの?」

 『()』と付けたのは、例え撫子が今までに男と付き合った事がなく、

これからも当分その予定が無いとしても、

それは『今』だけの短い間の事なんだという撫子の面目を保たせる為の、

紳士クンの優しさと気遣いからであった。

そしてそれに敏感に反応した撫子は、鼻の頭を指先でポリポリかきながら言った。

 「そ、そうね、()は、居ないわね」

 「そ、そっか」


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