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10 やっぱり夢だった
あまりに予期せぬ突然の出来事に、なりふり構わぬ叫び声を上げる紳士クン。
しかし紳士クンの体は重力に従い、
物凄いスピードでどこまでも落ちて行った。
そして・・・・・・。
ドスゥン!
と、いう音とともに、紳士クンは、目を覚ました(、、、、、、)。
そう、さっきまでのあれは、夢だったのだ。
「あ、あれ?」
というマヌケな声を上げ、寝ぼけ眼をパチクリさせる紳士クン。
紳士クンはベッドから落ちたらしく、
ベッドの傍らの床に、仰向けに寝転がっている。
そして目の前には自分の部屋の天井と、
仁王立ちで紳士クンを見下ろしている撫子の姿があった。
ちなみに今の撫子は夢の時のような長い髪でもなく、
女性らしい物腰でもなしに、ショートカットで男勝りの雰囲気の、
全く以ていつもの撫子だった。




