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bibidebabide  作者: 師走
4/25

4

背表紙の赤い本が目に入った。

その瞬間、頭の中にぱっと閃きが起こった。


赤い本。


大学の試験問題が詰まっているあれではない。


また別の赤い本。


通称ではなく「赤い本」という題名を持つ本。


その本について、僕は実際のところを全く知らない。

知っているのは、どうやら面白いらしい、という曖昧な情報だけである。


その本について知らされたのは四日前、いや七日前だったか、もしかしたら一年前かもしれない。

確か、「〇〇の作り方」について書かれた本だと言っていた。


何かと何かを捏ねて、それから放置して、その後熱したり、冷ましたり、と、実に詳細に〇〇の作り方が書かれているのだそうだ。


不思議と〇〇の部分が何だったのか全く思い出せない。

誰に聞いたのかも思い出せない。


なぜなら僕はその本についてほとんど興味を抱かなかったから。


顔を赤色にして唾を飛ばしながら僕にその本の面白さを語る、そういう光景は思い出せるのに、その人物の顔容は薄もやの向こうに霞んで見えない。


それなのに、「赤い本」という題名だけはやけにはっきりと頭の中に残っている。


本の内容が面白いことへの期待は今も無い。


僕はその「赤い本」を探すことにした。


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