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bibidebabide  作者: 師走
18/25

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それで、どこまでも続くわけです、ツノのある魚の群れが。


たまに足を挫いてびっこを引いている魚もいましてね、


なんだかこう、ぱくぱくと、ぱくぱくと、


物言いたげに泡を浮かべたりするんですよ。


こんなに空気は濃縮還元だっていうのにですよ。


でも明日は一日中カモを連れて歩かないといけないので、残念ながら青色信号です。緑色じゃないか、ていうのは言いっこなしですって。




だから一度読んでみるといいんです。僕は薦めますよ。




いい本屋を知ってる。


あまりよくはないけど、でもいいんじゃないかな。


きっとそこへ行くといいよ。










僕の自転車はいつのまにか月見の蕎麦を唄っていて、明日は雨だろうと心細げに言う。


そんなことはないのに。


そんなことはないのに。


けれどもなだめる言葉を知らないので、僅かばかりの釣銭をくれてやった。






もう少し行くとラクダにぶつかる気がする。


右へ行こうか、左へ行こうか、右斜め下寄りの左上がいいかな。






自転車には座席はないけど、ペダルがあれば十分だろう。


ハンドルも家に忘れてきたかもしれないが、タイヤがあるからむしろ必要ないだろう。






どうも随分な遠出をしてきた気分がする。


目的の地はあったのだったか、あてどもなく這いまわっているのだったか、今となってはウヤムヤしたものになってしまったが、どこへも辿り着かないというのも、終わりがないみたいでいいものだと今は思っている。






右足にはパイナップルの缶詰を履いている。


左足には牛皮のなめした異国の民族の人形を十も履いている。


もう少しで昼が明けて夜が翳り嫁が降ってくる。それはそれは白無垢の、人のように重たい嫁が。






僕は高砂を鼻歌った。


急に寒気が襟に吹き込んで、僕はホッカイロの代わりに腹に貼った本をよく揉んだ。それからしわを伸ばしてきれいにしてから、またしっかり貼り直した。

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