根に持っている
許してはいけないくらいの
悪意がそこにあったならどれだけ楽だったか
許せない許すべき揺れる感情の
槌の下ろしどころを見つけられずにいる
もう二度と戻らない喪失した時間も心も
それを再生していくための苦しみも
これはきっと些細なことに過ぎないんだ
次に進め次に進めと言われている気がする
人を許して罪を憎んで生きていく
そんな風な清い気持ちには私はなれない
どうしてどうして私が忘れるべきなの
私だけの記憶の一部を「忘れて次へ」なんて
勝手に切り捨ててほしくはない
私はきっと正しくない
「しつこい」「しつこい」「しつこい」
ああ優しさが何処かへ行ってしまう
許せない許すべき私の逃げ場のない激情は
「根に持っている」の一言それだけで
片付けられる程度なの