初めまして。
「お騒がせしてすいません......。」
何とか絞り出した言葉に唖然とする訓練所に居た人達。
デスヨネー。
「な、何だ今の......?」
誰かがそう呟いた。
ホント何でしょうね?
誰がビックリって私もビックリですよ。
ハハハ。
ドーシヨコレ。
「あ、アンタがやったのかい......?」
腰を抜かしたのか、その場に座り込んでいる赤髪のごついメイルを身につけたお姉さんが私を見て問いかけてきた。
問いかけると言うよりも呟きに近い感じだけど。
「そ、そうみたいです......?」
疑問形で返してしまったが、どう考えても私なんだだよなぁ......。
「何事だ!」
ギルドと訓練所を繋ぐ通路から、3人の兵士の様な人達を連れて、深緑のサラサラロングヘアーのお姉さんが歩いてきた。
片目は眼帯で塞がれているが、キツそうな目付きに騎士の様なシュッとした青い服を纏っていて、何だか偉い人っぽい。
その人は、放心状態で座り込む人達と、ボロボロになった訓練所を見渡すと、その訓練所のド真ん中に立っている私に向かって声を掛けてきた。
「コレをやったのはお前か?」
「......はい。」
「一体何をどうすればこのような事になるのか。こっちに来い。話を聞く。」
「......はい。」
「お前達、訓練所は暫く立ち入り禁止にしておけ。この場にいた者達の話も聞きたい。傷がある者は手当をして応接室で待っていろ。」
そう告げると「こっちだ」と、通路を通ってギルド受付の裏を通され、受付の奥にある階段から更に上の階へ通された。
途中、出会う人が皆慌てて姿勢を正して居たので偉い人なのは間違いないようだ。
恐らくこの人は......
「ここだ。入れ。」
階段を上った通路には、1つだけ大きめの扉が。
やっぱり......。
「お邪魔します。」
中は思ったより広くなく、コタツくらいの大きさのテーブルを挟んで、二人座りサイズのゴツイソファーが2つ。
その奥に大きな木製のデスク。
「そう硬くなるな。楽に座るといい。」
「はい......。」
私さっきからハイしか言ってないな。
そんな事を思いつつ、ソファに腰をかけると、その人も向かいのソファに腰をかけた。
「まずは初めまして。私はギルドマスターのアーリエだ。」
......やっぱりギルドマスターでした。