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浄化の魔力

ギルドの二階入口にはしっかりした扉があって、赤外線プレートの様なモノに水晶をかざすと、フワリと光って扉のロックが解除された。


これが宿のセキュリティって事か。

異世界便利道具......魔道具って奴なのかな?


迷惑モブキャラみたいなのもいるし、人の出入りの多いギルドなりに一応安全配慮はされているようだ。


ナンバーを確認して部屋に入ると、木製のベットとテーブルセット、小さめの窓が1つのシンプルな部屋で、シーツも綺麗にセットされている。


この世界での基準がまだよく分からないけど、日本生まれの私でも落ち着いて過ごせそうだ。


実は一文無しで今晩どうしようって、不安はあったからなぁ。

屋根のあるベットで寝られるなんて、勇者に感謝しなきゃね。


「さて。」


部屋の確認もしたし、昼も過ぎて居るようで日が傾き始めている。

あまり時間はないけど、訓練所に行ってみようかな。


お腹はすいているけど、自分の力量も、こちらの事も何も分からないままウロウロ出歩くのは避けたい。


訓練所に到着。

運動場程の広さで、けっこう広い。

足場も砂で固められていて、本当に運動場みたい。


違うのは人型の木製プレートや、丸太、藁の束等、的として使うんだろうと思うものからなんに使うのかわからないモノまで色々用意されている。


既に訓練所では3組が剣を使って撃ち合い訓練していた。

撃ち合いをしている人以外にも、見学しているだけの人や雑談している人も結構居る。


見慣れない顔だなぁ、とかって絡まれる覚悟もしていたけど無問題。

チラッとこちらを見ただけでどの人もこっちに興味はなさそうだ。


私は人型の的の前に立って手をかざしてみた。


魔法なんて現代日本人の私が使った事も見た事も有る筈無いんだけど、街までの光の道が表れた時位から自分の内側にモヤモヤ温かいモノがある気がする。


もしかしてあの光の道も魔法だったのかな?

私が街まで行きたいって思ったから発動したとかね。ハハハ


おっと、あまりにも非現実的な事に沢山遭遇して思考がガバガバになって来た気がする。


だって向から聞こえる剣と剣のかち合う音とか明らかな金属音で。

あれって本物の剣なんだよな、なんて思うと少しビビってる。

異世界なんだよなぁ。


かざした右手に集中すると、体の内側のモヤモヤ温かいモノが真っ直ぐ右手に流れて溜まって行く感じがする。


あれ?これイケんじゃね?




ここで気が緩んだのがマズかった。



魔法と言えば強い。

強いと言えば破壊。

無意識に魔法と言えばコレとソレを口にした。




「メテオ。」



や。ホントやる気もクソも感じないようなトーンで呟いた感じよ。

だって高校生にもなってメテオオオオオオ!とかって叫べる?

無理だろ。無理無理恥ずかしい。


しかし魔法の発動には何の問題もないようです。


右手に集まった温かい感じ。

恐らく魔力が思い切り弾ける感じがして私から抜けた。



ズドオオオォォォォォンッ...


ドドドドドドドドーンッ


大量の隕石が訓練所に飛来。

見学していた人達が「きゃぁぁっ」「うわぁぁ!」「何だ?!」とか騒いでる。








いやいやいやいやいや。



これあたし?!

ですよね?!

やばいでしょ。

やばいやばい、やりすぎだっての!!!!


ハッとして周りを見渡すと、未だに隕石はすごい勢いで降って来ている。


なななな、何とかしなきゃ......

取り敢えずは人命救助だよね!


右手をかざして即座に集中する。


「バッ、バリアー!」


又ブワッと体から暖かいモノが弾けて抜けたと思うと、白銀の膜のようなモノが訓練所全体を覆った。


次に......!


魔法キャンセルなんて出来るのか?

空から未だ降り注ぐ隕石に手をかざして一か八か叫ぶ。


「止まれえーーーーー!!!」




ドオォォォォォォンッ......!!







最後の隕石が、バリアにぶち当たって止まって消えた。


恐る恐るバリア解除と呟くと、白銀の膜はフッと消えて、訓練所に白銀のキラキラ光る粒子が舞って、その場は静まり返った。


またもや恐る恐る振り返ると、いつの間にか訓練所の真ん中に一人立っている私を皆見ていた。


剣の訓練をしていた人達も、いつの間にか訓練所の端の方に避難していたようだ。


怪我人も見た所居ないようで少しホッとする。


しかしどうしようこの状況......。


クレーターだらけで壊滅的な状態の訓練所の真ん中で、なんとか口から出てきたのは


「お、お騒がせしてすいません......。」

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