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唐突に始まるギルド生活

「本当に何ともないので、お構いなく......」


今私は、沢山の注目を浴びながら、勇者に連れられてギルドの木製テーブルに座るハメになっている。


「こちらの揉め事に巻き込んでしまったのです。なにかお詫びをさせてもらいたい。」


どうやら、あのモブキャラはかなりの迷惑野郎だったようで、ギルドの会員登録を剥奪する恐れがある事を伝えると、そのままギルドで暴れ始めた事で、そこに居合わせた勇者の鉄槌が下ったらしい。


子供か!

剥奪が嫌なら暴れないよな普通......。

何て理解不能な行動。


勇者もなかなか引き下がらないし、このままでは拉致があかない。

勇者の相席ってだけで全身に感じる視線がかなりきつい。

私も自分の目的を見失う前にさっさとお暇しよう......。



「あの、私記憶喪失なんです。持ち物なんかも無くて、身分の保証と生活資金を稼ぐためにギルドに向かっていたのです。」


「それは...大変な状況のようですね。僕で良ければ力になります。」


勇者の表情から、本当に心配してくれている事が伝わってきた。

ホントのいい人なんだなぁ。流石勇者。


「ありがとうございます。何かあったら頼りにさせてもらう事もあるかもしれません。その時は是非お力をお貸しください。」



精一杯の遠慮と笑顔と逃げ腰で、何とかお詫びをしたいマンな勇者を引き離すことに成功。

そのまま受付カウンターでギルド登録をした。


登録は出来たが、ここから商人、冒険者、鍛冶師、薬師と、4つの部門があり、冒険者になりたい私は、明日の冒険者登録試験に参加して、冒険者としての資格を貰う必要があるらしい。


そこで冒険者としての基礎と実力を測って、必要に応じて講習を受けるんだとか。

想像していたよりちゃんとしてるんだなぁ。


一通りの説明を聞くと、受付をしてくれていたギルド職員のカール

さんがピンクのツインテールを揺らしながら、拳大程もある水晶が付いた鍵を持って来た。


「これは?」


「勇者様から。今日は明日に備えてギルドの宿に泊まるのが良いと。小さいですがお部屋を用意させていただきました。ご利用下さい。」


にっこりと笑顔で説明してくれるカールさん。

ギルドの二階と三階は、簡単な宿屋になっているらしい。

大人数だったり、宿泊客が多い場合等は近くにギルド推奨宿屋がいくつかあるので、そっちに回されるそうだ。


「コハル様は、二階の203号室になります。分からない事があれば、そちらの水晶に魔力を流して頂きますと、いつでも受付に連絡する事が出来ますので。あ、勿論、イタズラに魔力を流すのは駄目ですからね!」


くっ。

魔力流す練習なんかしたら怒られそうだ。


「わかりました。ありがとうございます。」


「ギルドの上にあるのは、簡易な宿屋ですので、食事はありません。隣の食事処か何処か外で取って頂く形になりますね。あ、一応調理場は二階の奥に一つだけありますので、そちらは自由にご利用ください!」


ふむふむ。


「あとあと、正午から日が落ちるまでは、ギルド裏の訓練所は自由に使って頂いて大丈夫です。たまに決闘とか模擬試合やってる方も居ますが、その場合は邪魔にならないよう。使うなら巻き込まれないよう自己責任で。です!使用禁止の時も有りますが、その時は侵入出来ないようにしてありますので普段は気にしなくて大丈夫ですよー。」


「凄い。色々あるんだなぁ......」


「1度で覚えられなくても、後でお気軽にお問い合わせ下さいね!大体の事は、部屋に備え付けのボードに簡単に説明書きしてあります。それでは、良いギルド生活をっ。」


ビシッと敬礼の様なポーズを取って、カールさんはツインテールを揺らしながら受付に戻って行った。



記憶喪失で注目を浴びるとゆう状況に気を使ったのか、気づくと勇者はギルド内には居ないようだった。


ふむ。


まずは、部屋の場所を確認してから......

訓練所で何か役に立つ能力はないか調べてみようか?

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