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勇者も居るようですね

前回、意気揚々とギルドに来た訳ですが。


なんということでしょう。


結構大きな木造建てのギルド。

ついに来た!!と扉を開けようと黒縁の大きな木扉を引こうとしたら、扉に体当りされた。


否。

中から扉ごと誰かがぶっ飛んできた。

痛てえええぇぇぇ!!

鼻打った!


なんということでしょう。


私の酷い顔面がさらに酷い事になってる気がする。


「テメェ...!よくもやってくれやがったな!!」


扉と私を下敷きにした男がギルドに向かって吠えている。


凄い!!

これが生のモブキャラ!

見ただけでも分かるこの小物感!


こいつを吹っ飛ばしたのは勇者か、はたまたチートな若者か!


ワクワクしながら扉の下から覗いていると、これまたびっくり。


ギルドから出て来たのは勇者っぽい、青い髪の爽やか風イケメンボーイじゃないですか!

しかし生粋の日本人な私的には青髪(笑)になる訳です。

顔はいいのに残念。

あ、人の髪とやかく言える髪してないわ。



騒ぎを聞きつけて、通りに居た人達もワラワラと集まってきた。


吹っ飛ばされた男にイケメンが冷たく言い放つ。


「貴様の蛮行は少々目に余る。これ以上恥をかきたくなければ改心する事だ。」


それを聞いた野次馬達がモブに向かって口々に野次を飛ばす。


「ストラから出てけー」だの「ツケ払えー」だの「お前のせいで家を無くしたー」だの「勇者様デートしてー」だのワァッと騒がしくなった。

何かどさくさに紛れて勇者にアピールしてる子まで居るし!

てか、イケメンボーイやっぱ勇者かよ!!


モブ男は野次に囲まれて「チッと」舌打ちして

「クソっ、覚えてろよ!」

とか言って去っていった。


ふああぁぁ!

退場まで忠実にモブキャラだよ!

しゅごいのぉ!!


とか謎の感動してたら勇者が近くに来てた。

ヒェッ!


「巻き込んでしまってすまない。怪我はないだろうか?」


「あわわわ!大丈夫ですのでお構いなくぅ!」


プチパニックですハイ。


何でって?


まだ居座る野次馬達に囲まれて、イケメンに手を差し伸べられたら、ね、わかるだろ?

ボッチ人生歩んでた私がイケメン耐性なんてあるわけないから!


アワアワする私を微笑ましい目で見る野次馬共。


「ハッハッハ。勇者様に手を差し伸べられたら緊張するのも無理ねぇよなぁ」

「勇者様は罪作りだなぁ」

「あぁっ、勇者様、私もつまづいて転んでしまいましたわぁ」

とか勝手な野次を飛ばしてくる。


とんでもない羞恥プレイだよ!!


「そうゆう訳にはいきません、何かお詫びをさせて下さい。皆さんもお騒がせしました。」


そう言って私の手を取り引き上げられた。

うわぁ......。


この『うわぁ』感動なら良かったが完全にドン引きである。



野次馬共に丁寧にお礼をすると、ギルドに戻る勇者。

この手を離せ。


半ば強制的にギルドに初上陸。


勇者様に連れられて来た見慣れないモッサリ女なんて...

嫌な予感しかしねえええええ!!


ギルドに入るとザワっとしてものすごい視線を感じた。



やっぱりな。

コイツ自分の立ち位置わかってるのかよ!


「僕と居たら目立ってしまうようで...申し訳ない。」


ホントに申し訳なさそうにコチラを気遣う勇者。


しかし手を離してくれない。


テメェわかってんじゃねぇか!

クッソ、勇者ハゲろ!!


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