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冒険者試験3


女の子なのに思い切りリバースしてしまった。


ゴブリンだったモノの見えない所まで移動して、魔法で出した水を口に含む。

ついでに顔も洗って気を引き締める。


まだ嫌な感じは残っているけど大丈夫。

頭も少し冷えた。



ダンジョン内の石床の所々に500円玉位の大きさの穴があり、石床の継ぎ目を伝って水が流れるので、自分のキラキラも水魔法で流しておいた。

流石にそのままは……ね?


何度も言うが、これでも一応女の子なのだ。




さて。

いつまでもグズっている訳にはいかないので、ゴブリンの魔石を回収する努力をしよう。


これは試験なのだ。

と、決意を新たにしていると、ダンジョンの中に声が響いてきた。


「やっぱりダンジョン内は不気味だよぉ~......」

「あぁ。何度か来たら慣れるもんなのかね。」

「ははは、この雰囲気に慣れると言うのも考えものですね。」



3人?

足音がこっちに近づいてくる。

同じ冒険者試験を受けている人達だろうか?



「あっ!誰か居ますよ!こんにちはー!」

「おっ、試験仲間か?!おーい!」

「あわわわ!ナット馴れ馴れしいよ!すいません!」


何だか騒がしいが、試験仲間と言っている事から、同じ立場なんだろう。

あの3人はパーティかな。


先頭にいたのは金髪の男子で、軽装だが盾と剣を持っている。

ナットと呼ばれている赤髪単発の男子も軽装で腰に短剣を帯刀している。

水色のショートヘアの可愛らしい女の子は大きな杖を両手でしっかり握っている。......重そうだな。

皆16歳くらいの見た目だ。


「ここっ、、こんにちは!」


ああっ!こんな所でもコミュ症の弊害が!

どもっちゃったよ......もっとしっかりしなきゃ。


3人組は近づいてくると


「うおっ?!何だこっち?妙な臭いがしやがる。」

「これは......魔物の血の匂いですか?」

「もしかしてお姉さんが?」


ギクッとしたが、冒険者を目指す者同士、何も後ろめたい事はないか。


「実は送られた先に魔物が居て、驚いて思い切りやってしまって。あはは......」


3人は匂いの元を確認して一瞬だけ顔を顰めたが、直ぐに


「原型もほとんど残ってねぇ......すげぇ......。」

「本当に思い切りだったのですね......しかし開始早々に試験で3匹も相手取るとは見事ですね......」

「うぅ......凄いけど流石にグロすぎてちょっと......」



「あー、情けないですが私もグロくて魔石取り出せなくて参ってたトコなんですよ。」


「あはは、分かりますよ。僕も初めて魔石を取り出す時はキツかったです。」

「ローダンの父さんは村の近くの魔物を間引く仕事をしてたんですよ。その時に魔石の取り方を習ったみたいなんです。......自分だけ冒険者になる準備進めてたなんてずるい......。」

「ミィはローダンに置いていかれたみたいで暫くスネてたもんな。」

「あの時は早く冒険者になりたい気持ちばかり先走ってたからな。黙ってて悪かったってミィ。」

「暫くは許さないもん。」


可愛くプイっと顔を背けるミィと呼ばれた女の子。


あはは、私会話から置いていかれてるぅ。



「まぁ、俺らの事はいいとしてだ。アンタ名前は?1人か?」



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