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冒険者試験2

未だゴブリンはこちらを警戒したまま動きを見せないが、私が動き出そうものならスグに攻撃してきそうだ。


どうしたものか……

ゴブリンに意識を向けつつ考える。


やってしまったものはしょうがない……。


たった今経験した通り


殺らなければ殺られる。


グシャッっとなるくらいなら、いっその事グロくない手段で倒すか…?


そこでハッとした。




私武器持ってないじゃん!!!!!


職員何してんの!

丸腰の初心者ダンジョンに送り込むんじゃねぇよ!

えっ!

武器がない方はこちらを~とかサービスないの?!

いや無いか!だって冒険者目指してるのに丸腰でダンジョン試験受けに来るやつなんか居ないよね!


私を除いては!!!

こちとら試験受けますで筆記用具ならまだしも武器なんか持っていこうと思わないよ!

あー。価値観の違いって怖いわー。

異世界容赦ないわー。





えっ?


どうすんの?

どうすればいい?


チラッとさっき潰れたゴブリンを見る。



いや~。ないない、これは無い。

ほんとにグロイ。


殴りダメ、潰すのダメ、ゼッタイ。


火事場の馬鹿力説もあるが、訓練所でのアホみたいな規模の魔法や、こっちに来てから全く疲れない身体の事を考えると、この腕力も恐らくはキトラがくれた能力の1つの可能性が高い。


つまり。

私が抵抗するとゴブリンがクラッシュする。


剣でもあれば急所を1突きで済むのに…!

殺す事に抵抗はあるが異世界に来たのだ。

いつかは覚悟を決め無ければならないという事は分かってる。

それが早い方がいい事も。


私は又、ただの肉塊と化したゴブリンをチラッと見た。


やっぱ無理ーーー!


「…ギャッ……」


む?


度々同士の死体をチラ見している私を不審に思っているのか、2体のゴブリンは少し後ずさった。


もしかして、私の事を恐れてるのか?



もしかして大声出したらコイツら逃げてくれる?

ええい!こうなりゃやってやる!


「わっ!!!!」


「ギャッ?!」


「うわーーーーーっ!!!!」


「ギャギャッ!!」

「ギャッ!」


「うわーーーっはっはっはっはっは!!!!」



私は魔物相手に何をしているのだろう。

まるで小学生のような自分の脅かしに自分で引いた。

最後はどうにでもなれと投げやりに笑ってやった。


ゴブリンは殴りかかってきた。



何故私はこの作戦でいけると思ったのか。

自分にイラっとすると同時に、こんなアホな手段を取らせたゴブリンに怒りを感じた。

八つ当たりである。


飛びかかってくるゴブリンを片手で掴み、こちらに掛けてくるもう一方のゴブリンに叩きつけた。



「……うっ……」


勢いでやってみたはいいけど、酷い臭いとグロさ……


魔石は…


もう一度ゴブリンだったソレを見て盛大に吐いた。


無理かもぉ!!

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