表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/13

冒険者試験1

「冒険者試験を受けられる方はこちらの転移魔法陣にお集まり下さーい!」


ギルドのロビーの片隅で息を殺していると職員が案内を始めたのでそっちへ向かう。


え?

何で息を潜めたかって?


だって周りの人皆身体が大きいし武器携帯してるし!金属の鎧着た人なんか近くにいると圧迫感あるし!改めて落ち着いて見ると非現実的すぎて怖くなっちゃったんだよ!


若干気分は落ち込みつつも、転移魔法陣に集まった人達の中には同年代くらいの子から大人まで、結構な人数が集まっていて、中には私と同じような駆け出し装備っぽい子もいて少しホッとする。


「それでは、これより冒険者試験を始めます。初めの試験は討伐クエストになります。転移先は岩竜ダンジョンです。そこで任意のモンスターを五体倒し、魔石を回収して来て下さい。既に攻略済みで危険度は低いですが、もしもリタイアしたい場合や緊急事態に陥った場合は、各所にギルド員が待機しておりますので、今からお渡しする共鳴石をご使用頂ければすぐに駆けつけます。」


ダンジョン!!!

やっぱあるのかー!

あるよねー!

ワクワクして来た!!
















そう思っていた時代もありました。

いやついさっきまで思ってたんだけど。


小さな魔石を渡されてダンジョンに転移したものの、転移地点はランダムなのか、1人だし結構暗いし、ダンジョンと言えば!の石壁だし迷路っぽい通路沢山あるし、ギャッギャッとか魔物っぽい鳴き声してるし。

実際、目の前に3匹居るし。


小さいけど釣り上がった目に大きな鼻、長い耳に土色の肌、ボロ布を巻いて棍棒みたいな武器を持ってる。

何こいつ?と凝視すると又ウィンドウ画面のような説明文が浮き上がる。


【ダンジョンゴブリン】


突然現れた私を警戒しているのか、ギャギャギャキャッと不快な鳴き声を上げている。



転移した瞬間目の前に居るってどんな糞ゲーだよ!

こちとらLv1の村人状態なんだけど?!



それに……

こいつら人型なんだよなぁ。

大きさも人間の幼児くらいは有る。


討伐って言うくらいだから殺すんだよね…?


かなりキツい。

今更すぎるけど実際目の前にすると想像していた以上にキツい。


そりゃそーじゃん!

こちとら生粋の日本人ですよ!

命は大事に!

平和に呑気に生きてきたんだもの!

生き物を殺せって簡単に出来ないよねしょーがないね!



そんな私の葛藤を他所に、ゴブリンの1匹がこちらに向かって飛び掛ってきた。


「ギャギャッ!」


「ヒッ、こ、こっち来んなー!!!!」


なんだかスローで飛び掛ってくるように見える。

あれかな。

死ぬ直前は周りがスローになるって奴かな。

振りかぶった棍棒が私に向かって振り下ろされようとしている。


反射的に払い落とした。




ヒュッ…


ドチャ!グシャ!







は?





ゴブリンの棍棒を叩き落とすと、

棍棒を持った手が身体から離れて棍棒と一緒に叩きつけられ、後から追いついた身体ごと潰れた。




「ギャッ?!」


残りのゴブリン達は警戒を強めたのか足腰に力が入ったのがわかった。


でも無理……!



「うっ……」


かなりグロいしショッキングな映像に嫌な匂い。

吐きそうになるのを必死に堪える。



今のあたしがやったんだよね?

キトラに貰った能力か何かなのか……

これはグロすぎる……。



ゴブリンは警戒して様子を伺っているようだが、あと2体も居る。

試験クリアには最低でも五体は必要……。


今のグロい肉塊から魔石を探すのも殺すのも、かなりの難関だなぁ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ