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プロローグ

夜明け前、薄暗く霧が立ち込めるとある森に、二人の男女の姿があった。


否、よく見れば女性の腕には、生まれて一ヶ月程であろう赤子が抱えられている。


すやすやと眠る赤子を見る二人の表情(かお)には深い哀しみと・・・僅かな恐れ。


「ね、ねぇ、あなた。本当にこの子を捨てないといけないの?」


「もう何度も話し合った事だろう?災いをもたらす、呪われた忌み子であるこの子を街に置いておく訳にはいかないんだ」


「で、でも!目や髪の色が黒いだけで忌み子と決まった訳じゃ!」


「黒目と黒髪は忌み子の証だ!お前だって生まれた忌み子を育てた結果、そいつらの街や村がどうなったか、知らない訳じゃないだろ!」


「・・・・・」


男の剣幕に何も言えなくなってしまった女は、大声を張り上げているにも関わらず、未だ気持ち良さそうに眠り続ける赤子に視線を落とし、涙を流した。


「・・・怒鳴ってすまなかった。俺だって好きで自分の子を捨てたい訳じゃないんだ。その子を捨てなければ俺達どころか街の皆にまで迷惑をかけてしまう」


「そうね、国王様の・・・御命令だもの・・・ね」


仕方ない、と自分に言い聞かせるその言葉に嗚咽が混じる。


「ごめんね・・・ごめんね・・・ッ」


女は何度も謝りながら、赤子を起こさぬように抱きしめた。


もう二度と会えないであろう我が子を、決して忘れない為に。


そして、これから死出の旅路に向かうであろう我が子に、僅かにでも自分の温もりが残るように・・・。

多くの方は初めまして。

東方不変録(削除済み)を読んだ事のある方は御無沙汰しております。

今作品は基本的に亀より遅い更新速度&誤字脱字パラダイスな作品になる(確信)ので、生温い目で見下しつつも楽しんで頂ければ幸いです。

拙い作品ですが、よろしくお願いします。


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