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表と裏 ルーフェイア・シリーズ06  作者: こっこ
Chapter:03 恐慌
18/32

Episode:18

◇Imad

 野外訓練が終わって自室へ戻ったあと、俺はどうにも落ち着かなかった。すっげぇヤな予感がしてしょうがない。

 あの訓練が終わったときのルーフェイア、ただごとじゃなかった。倒れるんじゃないかと思ったくらいだ。


――行ってみっかな。

 ともかく気になる。

 ただ、女子寮へ行くのはちとしり込みだった。

 昼の間なら、受付のとこでちゃんと言えば入れてもらえっけど……傭兵隊の資格持ってねぇのに行くと、あとで教官に呼ばれるのがパターンだ。


 そんでも結局、俺は部屋を出た。なんかよく分かんねぇけど、ルーフェイアのほうからなんか、聞こえる気がする。

 あいつの部屋は、渡り廊下挟んだ女子寮の三階だ。

 けど部屋どころか、向こうの受付まで行く前に、意外な先輩と出くわした。

「ロア先輩?」

 なんか、やけに慌ててる。


「あ、キミ、ちょうどいいや。ちょっとムアカ先生呼んできて!」

「なんかあったんです?」

 ヤな予感が的中したっぽい。

「うん、ちょっとルーフェが倒れちゃってさ……あ、ちょっと!」

 聞いた瞬間、俺は走り出してた。受付とかそゆのぜんぶ忘れて、あいつの部屋へ飛び込む。


「ルーフェイアっ!」

 呼ぶと、その声にあいつが反応した。

「イマ……ド……?」

 弱々しい声。

 顔色も悪いとか通り越して、真っ白に見える。


「どした!?」

「……怖い……」

 こんなにおびえたルーフェイア見んのは、俺も初めてだった。

 理由はどう考えたって、“あれ”だろう。


――ったく、何考えてんだよ!

 あの先輩の毒舌冷酷自分勝手は、そりゃ今に始まったことじゃない。けど、相手考えろと思う。

 ルーフェイアが脆いのなんざ、見りゃ分かるだろうに。



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