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表と裏 ルーフェイア・シリーズ06  作者: こっこ
Chapter:02 実力
11/32

Episode:11

 何も言われないというのは一見よさそうだけど、こういう状況でのそれはつまり、何も期待していないし何もするな、という意味になる。

 加えて年下からの編入が二人、同じ班だ。

 数は合わせて形だけは整えて、あとは黙って隅に居ろということなんだろう。


「まー学院の考えることなんて、その程度だろうなぁ。けどこれで点がもらえるんなら、俺は別にいいけどな」

 イマドはさっさと割り切ったみたいだ。

「どうします?」

 あたしに問いかける先輩の瞳に、何かが閃いた。なんと言うか……そう、おもしろがっているような。


 少し考えて答える。

「あの、あたし……やってみたい、です」

 こういう訓練はあまりしたことないから、興味があった。

「あたし、インドアの訓練……ほとんど、やってなくて。だから……」

「なるほど」

 何かが腑に落ちたような感じを一瞬見せたあと、先輩は今度は、イマドのほうに問いかけた。


「あなたはどうなのです?」

「コイツがやるってなら、俺別に構いませんよ。もっとも俺じゃ、足引っ張んねーようにすんのが、せいぜいですけど」

 イマドのこういう、何でも言えるところは羨ましい。


「ではやりましょうか。教官が指示を出さないのですから、こちらが何をしてもいいわけですしね」

 なんかちょっとだけ、教官たちが気の毒な気がした。

 先輩がさっきの続きから、説明を始める。


「ここから突入した場合、敵側の拠点は恐らくここですから――最短経路はこれですね。まぁ、行けるとは限りませんが。

 そしてこのルートですが、最初の関門はおそらくここです」

 先輩の説明は、理路整然として的確だった。ルートや危険箇所が、次々と指摘されていく。

 恐ろしい人だけど……この先輩、すごく有能だ。付いていけさえすれば、最短でクリアできるだろう。


「ざっとですが、だいたいこんなところですね。何か質問は?」

「あ、あの」

 気後れしながら声を出す。

「あたし、さっき言ったとおり、インドア……あまり、してなくて。

 アウトドアと比べて……特に注意する点とか、ありますか?」


「そうですね。当然と言えば当然ですが、インドアの方がトラップを仕掛けやすいのと、待ち伏せが簡単です。これはよく注意してください。

 それから階段も要注意ですね。特にうっかり下から駆け上ろうとすると、狙い撃ちにされます。まぁ、やれば分かるとは思いますが。

――おや、そろそろ時間ですね。移動しましょうか?」



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