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ぴいと

 時計の傾く午後3時


 帰り道戯れながら


 僕はふと空を向いた

 

 きれいな青空が涙を流した


 小さな命の大涙


 僕はそれを手で優しく 


 受け止めた


 奴はまだ息をしてるんだ


 生きたいんだ


 君の生きる気持ちが僕を揺れ起こした


 さぁ、苦しんで生きるんだ


 行け! お前の手に翼が生えるまで


 僕は何度でも手を差し伸べてやるんだ


 行け! 僕のいないところへ


 君と僕は同じ釜の飯は


 食べれない





 明かりが照らす午後3時


 鬼の目を見計らい


 ダンボールに涙を


 解き放った


 君はつぶらな瞳で僕を見た


「お前を可愛がってやるぞ」


 呟いた小さな守護心


 ああ、君はどんな物を食べて生きてるんだい


 弱さから訴えた強がりの


“ぴぃ”の二文字


 行け! お前の血が塞がるまで


 僕は君を無理やり飛ばせるんだ


 行け! 生きる意味を探すんだ


 僕と君は住む世界が


 間違っている




 言葉を覚えるに連れて


 君の羽が色づいていく


 そして、君は大人になった


 背の低い僕が


 君を両手で持ち上げ


 再び君を


 解き放った


 行け! お前はもう旅立つ時がやってきたんだ


 旅の準備はもう出来たかな


 行け! 飛んで旅立つんだ


 僕は子供君は大人


 さぁ、そろそろ僕も旅に出るか


 もっと言葉を覚えなくちゃ




 時計が傾く午後三時


 ふと教室から地を向いた


 汚れた大地が唾を履いた


 大きな命の小さな唾


 ああ、


 昔こう言う奴もいたんだな


 地に横たわる昔の友人よ

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