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この世の隙間お埋めします  作者: クルトン一二三
7/9

先生と失踪した旦那さん 下

これで 大中山先生の話は終わりです。

この話は個人的に好きな話です。自画自賛ですが。(;^ω^)

最後まで読んでくれるとうれしいです。


朝になっていた。

みんなで母と祖母の作った朝飯を家族みんなで食べていた。。

祖父は悩ましい顔をしながら、ご飯を食べていた。

楓の時にほとんど悩ましい顔などしなかった祖父がここまで悩むことに俺は不安でいっぱいだった。

祖父が漬物をかじりながら急に大きな声を出した。

「しまった。なぜ気づかなかったんだ。

こんな基本的なことに。」

祖父は食事の途中で自分の部屋にすごすごともどって行った。

祖母も母も有美もポカーンとしていた。

大きな声など出したことのない普段とは全く違う異常な祖父に驚いた。


俺は残っていた味噌汁をかっこんで、祖父を追って祖父の部屋まででいった。

祖父の部屋のふすまは開いていて、本を調べている祖父の姿が見えた。

「どうしたの?」

俺は恐る恐る声をかけた。

「この本は魔法使いの少年が魔法を使って戦う話だ。

このままでは、先生は隙魔の力によって魔法を使うかもしれない。

そうなってしまったら、おわりだ。

世の中が混乱するだけじゃない。

隙魔は先生の生命のが尽きるまで魔法を使うだろう。」

俺は絶望した。

隙魔を埋めようとも放置しても先生には不幸しかなかった。

この救いようのない現実に膝を着いた。

足元には先生の本が散らばっていた。俺は一つの本が目に入った。

「この本、この前見たドラマの原作だ。」

俺は本を手に取って、ドラマの内容を思い出いした。


劇的な恋愛結婚をした夫婦が、仲睦まじく暮らしていたが、旦那さんが急に失踪してしまう。

奥さんは旦那を必死に探すが、多少の手がかりは掴める者の、旦那が失踪した理由が全くつかめないまま旦那を見つけることができなった。

ストーリーはこんな感じだった。

おそらくこの本は続編が出て完結するのであろう作品だったと誰もが思っていたが、これで完結だった。

とても煮え切らない作品であった。


俺は先生の妄想の根本はこの本にあると分かった。

「この本、旦那さんが失踪する話だよ。」

「この本か。知っているのか?」

「この本はこの前ドラマでやってたやつだよ。」

「よく気づいたな。」

俺は祖父にドラマの内容を話した。

「この本の影響が強いのだろうな。」

俺と祖父は、一番の問題である魔法の問題を棚に上げて話した。


その後も解決策を探したが何もアイディアが出ないまま時は過ぎた。

「隙間を埋めるの?」

「うむ、そのつもりだ。先生は私が何とかしよう。」

「大丈夫なの?」

「隙間を埋めるのは、この前の修の友達の子より簡単だよ。」

「そうじゃなくて、先生のことだよ。」

「そうだな。確かに先生は危ない。でも私は坊さんが本職だよ。何とかして見せる。」

俺は隙埋師としてではなく、人として頼りになる人だと思った。

不安だった祖父の表情は、自信に満ちていた。俺も祖父の顔を見て安心した。


先生は1時に来た。

今度は、俺と祖父と先生の3人で面談することになった。

祖父が口火を切った。

「すみませんが、昨日先生と話した時にメモしていたノートをなくしてしまいました。

もう一度、同じことになりますが質問してもよろしいでしょうか?」

祖父は新しいノートを出して、鉛筆で書く準備をしていた。

「はい。もちろんです。」

「では旦那さんのお名前からお願いします。」

「大中山 代助です。代は代金のだいで、助は助けるです。」

「はい分かりました。」

....

祖父と先生は昨日のノートに書いてあった質問のやり取りをしていた。

内容な昨日のノートと寸分の狂いもなかった。

「では、こちらに間取りと旦那さんの似顔絵を描いてください。」

「分かりました。」

先生は祖父から鉛筆とノートを受け取り、ノートに書きだした。

20分くらい鉛筆の音だけが響いていて部屋はとても静かだった。

「これでよろしいですか?」

どうやら書き終わったみたいで、先生は鉛筆とノートを祖父に返した。

「ちょっと休憩しましょう。お茶を持ってきます。」

祖父は俺の肩を叩きながら部屋を出た。


祖父と俺は茶の間に行った。祖父はは祖母にお茶の準備を頼んで、俺に話をしてきた。

「これが昨日使ったノートでこれが今日のノートだ」

祖父はノートなどなくしてなかった。祖父は両方のノートを開いた。

「名前も年齢も機能と全く同じだったよ。だけどね。

これが昨日の旦那さんの顔で、こっちが今日の旦那さんの顔だ。」

俺は驚愕した。二つの似顔絵は全然違う顔だった。

2つの絵は全然違う顔だった

昨日の絵は、ドラマの俳優のようなダンディな顔だったのに、今日の絵はたれ目が特徴の優しそうな顔の絵だった。

どう見ても別人がモデルだ。

俺が驚く中、祖父は説明をした。

「先生の隙魔を埋めるのは簡単だ。

先生に旦那さんが存在しないことを認てもらえればいい。」

「でも、先生は警察に行っても全然納得しないくらいだよ。」

「確かに先生の洗脳は深いだろう。しかし、この絵を見せれば先生は納得せざるを得ない状況になる。」

「あぁ。なるほど」

俺は、納得した。


「先生の隙埋ばつまい待ってくれない?」

俺は急に先生の隙埋をすることに躊躇ためらいを感じた。

祖父のお坊さんとしての祖父の能力に不安に感じたわけではない。

「ん?どうしてだ?」

「理由がわからないけど、よくない気がする。」

祖父は真剣な表情で聞いていた。

「分かった。お前の直感を信じよう

先生が直ぐに魔法を使えるわけではないだろう。」

意外な返答だった。いつも論理的な祖父が俺の気まぐれのような発言を聞いてくれるなんて思わなかった。

祖父は先生のところに行き、占いは何日かかかるので今日はお帰りくださいと伝えて先生を返した。


俺は、なぜだか自分でもわからないが祖父の部屋に行った。

部屋には祖父はおらず、先生の本が散乱したままだった。

「そういえば先生の本返してなかったな。」

俺はつぶやきながら本を片付けようとした。最初に手に取った本は例のドラマの原作の本だった。

本はよく読まれていたようで他の本よりも汚れが目立った。本のタイトルは『貴方を探して』だった。

俺は閃いた。

『俺がこの続きを書けばいいのじゃないか?』

俺は自分の部屋に行って、小説の続きを書くことにした。

夢中になって書いてできたときには朝だった。

できた小説のタイトルは『続 あなたを探して』と見てすぐに『貴方を探して』の続きであることが分かるようにした。

原稿用紙3枚程度の短いものだ。

この小説を祖父に見せて先生に見せてもいいか確認をとった。

祖父は誤字の訂正をしつつ読み許可してくれた。


小説の内容はこうだ。

小鳥遊たかなし 芽衣めいは、夫を探すこと諦めなかった。

月日は流れ旦那が失踪してから、何の手がかりも得られないまま10年がたっていた。

ある日、急に夫を探すことを辞めた。それは仕事が忙しくなったからでも、お金が無くなったからでもなかった。

ましてや、夫への愛情がなくなったからでもなかったのだ。

夫を信じて待つことにしたのだ。

芽衣は夫を探していた10年間を振り返るとあわただしくいろいろなことがあった。

危険な目にもあった。道に迷ったこともあった。人に騙されたこともあった。

良いことなんて一つもなかった。

やれるだけのことはやった。そう思った。

だからというわけではないが、芽衣は夫を信じて待つことにしたのだ。

夫を待つようになってから、今まで胸の苦しさが、嘘のように消えていった。

夫を探している時間を自分のために使うようになった。

主にいろいな場所に行って散歩するようになる。

ある日、公園で人懐っこい少年に出会う。

この出会いが芽衣の運命を変えることになる。

「おばさん、なにしてるの?」

「散歩をしながら深呼吸しるんだよ。」

「おじさんはいないの?」

「おじさんっておばさんの旦那さんのこと?

おじさんは昔、家から出て行って帰ってこないの?」

「なんで帰ってこないの?」

「ずーと、考えていたけどわからないの。」

「気まずいから帰れないんじゃないの?」

「え?」

「だってそうでしょ?ずーと帰ってないから気まずいでしょ?

たぶん、近くで暮らしてると思うよ。」

芽衣は10年間いろいろ失踪理由を考えていた。

私のことを嫌いになった。拉致された。仕事が嫌になった。・・・・・

あらゆることを考えたつもりだった。

しかし、どの失踪理由も正しいと思えるものはなかった。

少年の話もあまりピンと来るものではなかった。

しかし、今までの失踪理由よりは一番ましに思えた。

芽衣は少年の話を信じることにした。

近くで夫が暮らしているかと思うと心が楽になった。

ドアに『怒ってないので帰ってきてもいいですよ』と張り紙をした。

しかし、数年がたっても夫は帰ってこなかった。

芽衣は、夫のことが見えないだけで本当にはすぐそばにいるのだと思うことにしたのだった。

芽衣は朝起きて「おはよう」というようにした。夫の着替えも用意することにした。

失踪する前と同じ行動をとるようにした。

芽衣はある一言を言いたくなった。

長い間言っていなかっためある一言を真心を籠めて言いたくなった。



「おかえり」


これで終わりだ。俺は最後に一言加えた。

『この作品は決してバッドエンドではありません。』







後日談


俺はすぐに職員室まで行って大中山先生に借りた本を返すついでに『続 あなたを探して』渡した。

大中山先生は非常に喜んで受け取ってくれた。

先生はすぐに読んでくれて放課後感想を言ってくれた。

ほとんど、文法の誤りの訂正の話だったが、内容はとても気に入ってくれて褒めてくれた。

先生はその日以来落ち込んだ様子は見えなかった。警察にも言ってないようだ。

先生の隙間は消えたようで、旦那さんがいると思っていた時の記憶は夢のように薄れていったんだと思う。

これは余談だが、先生は今度お見合いをするようだ。

俺は大中山先生の幸せを心から願う。

正直落ちを用意してなかったので、苦労しました。

書いていくうちに少し内容が変わってしまいいろいろ調整が大変ですね。

みんなどうやって書いているんだろうと思います。


私の作品は今まで通りシナリオを淡々と書いていく形で進めたいと思います。

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