異世界に行こう
俺は大学4年生のヒロ。
大学では建築を勉強しているが、模型も設計も下手で、友達もいない。
そんな怠惰な生活を送ったせいか、無内定のまま卒業が近づいてきている。
はぁ…童貞も捨ててないし、なんで生きてるんだろう。
そんなことを思いながら、大学の授業休憩中に話しかける友人はおらず、一人でラノベを読んでいた。
「おーい、お前は就職どこ決まったの?」
くそっ、今日も大して親しくもないヤツが話かけてきやがった。
「まだ就活続けてるよ」
「プッ、もう12月だぜw まぁお前じゃ無理かもなww」
うぜぇ…、なんなんだよ。さっさと消えてくれ。
すぐに話を切り上げると、DQNが周りに言いふらし始めた。
「あー笑ったww おい、コイツまだ内定もらってないんだってさwww」
「え?マジかよ」
「ちょっと、やめなってww可哀そうでしょww」
「あいつ、やばいな」
今時の大学生なんて、こんなもんだ。
勝手に、人を格付けをして、サークル仲間や友人に聞こえる声で悪口が広がってゆく。
まったく、嫌な日だった。最近は鬱気味だ。
傷心したヒロは今日も、自宅で小説家になろうを読みながら妄想していた。
神様、俺が主人公でチート異世界転生御願いします。
『その願い、聞き入れた』
!? なんだ、今の声は。頭に直接響いてくる。
突如、目の前に光が満ちた。