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戦国哀歌94

長老は存念ある風情を隠さず、敢えて才蔵に近寄ろうとはしなかった。

寺は才蔵を温かく受け入れた。





出会った男に騙され、逃亡の手引きをし、結果毒消しの手掛かりも得られなかった旨の話しを疑う者は誰一人いなかった。




ただ長老だけは存念がある風情を隠さず、敢えて才蔵に近寄る素振りを見せなかった。




そんな才蔵に僧正が告げる。





「決戦が迫っている。才蔵よ疲れているところすまぬが、再び旅立ちの支度をしてはくれぬか」




才蔵が快諾する。




「承知つかまつりました」





僧正が続ける。




「各地の一揆衆は隠密間者の跋扈撹乱に依って内憂外患の様相を呈している。連携も覚束ず、そこを信長の軍勢が各個攻め立てており、大混乱しておる状況じゃ。じゃがこの局面にあり、仲間同士の連携救援こそが肝要であり、その事情を肝に銘じて欲しいわけじゃ」




才蔵がいずまいを正し応じる。





「承知致しました」




僧正が相槌を打ち、再度才蔵を促す。





「旅の途中、もう一度幸助の為に毒消しの手掛かり探索してはくれまいか?」





こうべを垂れ、才蔵が合掌し念仏を唱え、承諾した。




それに僧正も倣い、礼を尽くした。

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