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戦国哀歌93

わしを裏切ったら承知せぬぞと、信長は居丈高に影を恫喝した。

信長が続ける。





「しかし影よ。そなたが作った毒には実際問題毒消しなる物は存在するのか、どうなのじゃ?」




影が答える。





「理屈上は有りまするが、拙者はまだその毒消しにお目にかかった事が御座りませぬ」





信長が神経質な感じで眼を剥き言った。





「それはどういう意味じゃ?」




影が信長を正視し答える。





「毒消しの調合方法は非常に難解で特殊ですが、拙者の頭の中にのみありまする。が、それを作成する用途、用向きは有りませんので、私はその毒消しにお目にかかった試しが無いとの口上につかまつりまする」





信長が恭しく相槌を打ち言った。





「お主しか調合方法を知らないのじゃが、お主は敵を裏切り欺き、その毒を以って生きる屍を作るのじゃから、毒消しを作り人を助ける必要はなく、じゃからお目にかかた試しが無いとの口上じゃな?」




影が平伏し答える。





「御意」





信長が血走った眼付きをして影をねめつけ言った。





「お主の欺き裏切りの信条天下一品あっぱれじゃ。じゃが影よ、わしを裏切ったら承知せぬぞ。相分かったか?」





影が額を畳につけて答えた。





「御意」

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