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戦国哀歌91

励ましの言葉も無用じゃ。一度頷き合って、才蔵を引き連れ帰還するとしようと、僧兵は言った。

僧兵が綾に向かって言う。





「我等が心配して助けに来たのを裏切る程才蔵は薄情者では無いと言う事じゃて」





綾が尋ねる。





「ならば何故才蔵さんは逃げ出しのじゃ?」





僧兵が一度くしゃみをした後、腕を組み答える。




「生き恥を晒したくなかったのじゃろうな。だから自害して果てるつもりだったのじゃろうが、既に我等と会って生き恥は晒した訳じゃしな。これ以上の生き恥を晒しようもなく、その感情よりは強い才蔵の情けが、我等の情けに呼応して、才蔵は必ずや戻って来ると確信出来るわけじゃて」




綾が首を傾げて尋ねる。





「そんなものなのか?」




僧兵が鼻をつまみ、出そうなくしゃみを抑える動作をしてから答える。






「そんなものじゃて。ほら戻って来たぞ。才蔵の足音じゃ」





促され、綾が足音に耳を傾け、しきりに頷いたのを見ながら僧兵が言った。





「励ましの言葉も無用じゃ。一度頷き合って、才蔵を引き連れ帰還するとしよう」

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