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戦国哀歌89

恋と言うのは何と無様でみっともないものよと才蔵は考え、涙を拭い、狂おしく独り己を嘲笑った。

僧服が雨に濡れるのも構わず才蔵は歩き続け、河原に降り立った。





小屋に引き返せば、二人が待っている事は直感的に確信出来る。





それは同じ信仰を標榜する者の固い絆から派生する直感であり、それだけに強固絶対なものと言い切れる。




だが公の部分で醜態、生き恥を晒し、それを綾に見られた以上戻る事は到底出来ず、畢竟男義としては自害するしかないと才蔵は考えるが、反面、愚かしくも綾にもう一度会いたいと言う未練がましい感情も確かにあり、それを前後者比較すると、正直未練の方が遥かに強いのを、才蔵は感じ取っている。




何と女々しく愚かしい事よと、才蔵は自分を責めるが、その本音は変わらない。




変わりようが無いとも才蔵は実感している。




公務失敗を嘆き、男義を貴び、その責任感から自害すれば、愛しい綾には二度と会えない。





公の責任感と綾に対する恋心を対比すると、問題にならない位恋心の方が遥かに強い。





恋と言うのは何と無様でみっともないものよと才蔵は考え、涙を拭い、狂おしく独り己を嘲笑った。

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