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戦国哀歌68

二人は寺から逃亡を計った。

深夜。





見張り役の僧兵の背後に音もなく忍び寄り、僧兵を万力のような力で羽交い締めにして落とし、才蔵は納戸の引き戸を引き開け中に侵入して、男に声を出すなと唇に人差し指を当てて警告してから、短刀で迅速に縄を切り手足の縛りを解いて、男を小声で促した。





「これでわしもそなたと同罪じゃ。とりあえず裏山に逃げ込んで逃亡しよう」




男が相槌を打ち、二人は足並みを揃えるように納戸から出て闇に紛れ、忍び足で塀に向かい、通用口を押し開いて寺の外に出た。





「こっちじゃ」




篝火が焚かれている正門から逆方向に男を誘い、才蔵は足捌きを早めた。





男もそれに倣い小走りするが、弱音を吐く。





「駄目だ。殴られて体中痛くて走れぬわ。止まってくれ」



才蔵がかぶりを振り、再度促す。





「ここで止まったら捕まってしまう。捕まったら即刻打ち首獄門じゃぞ」





男が足を止めうずくまり言った。




「駄目じゃ、痛い」




その直後寺の境内から怒号が上がった。





「囚人が逃げたぞ!」





「追え!」





「逃がすな!」

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