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戦国哀歌65
自白次第首を撥ねますと、僧兵長は言った。
内通の嫌疑をかけられ男が捕縛された。
才蔵が狼狽し僧兵長のところに経緯を尋ねに行く。
僧兵長が言う。
「探索するような動きを見せたので、捕縛し尋問しているところです、ですが、正直なところ、あなたと彼の間柄を教えてくれませぬか?」
隠し立て出来るような雰囲気ではないので、才蔵は包み隠さず、男との関係を正直に打ち明けた。
その話しを聞いて、僧兵長が険しい目付きをして言った。
「毒消しの在りかなど金輪際知らないでしょうし、彼は間違いなく敵方の間者ですね。拷問をかけ自白させてから、打ち首獄門に処します」
才蔵が言う。
「みどもが騙されていたと言うのですか?」
僧兵長が断言する。
「間違いなく騙され、利用されたのでしょう」
才蔵が固唾を飲み尋ねた。
「打ち首獄門は何時ですか?」
僧兵長が答えた。
「自白次第首を撥ねます」




