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戦国哀歌55

俺はとにかく非人である事が発覚するのが嫌なのさと、男が言った。

船から降りて、入り組んだ路をそぞろ歩きながら男が言い出した。




「今向かっている寺は、俺が以前行って非人を理由に断られた寺ではない。じゃから俺は自分が非人である事を隠したいわけじゃが。どうだろう?」





才蔵が尋ねる。





「それはどういう意味じゃ」





男が答える。





「俺もあんたも坊主に化けて、雲水仲間という事にして欲しいのじゃ」




熟慮する間を置き才蔵が答える。





「いや、そんな小細工はしないで、ありのまま告げた方が無難だと思うのじゃが?」




男がかぶりを振り言う。





「いや、俺は非人である事が発覚するのが嫌なんだ。あんたは非人じゃないから分からないのさ。俺の気持ちなんか」





才蔵が改まった口調で切り返す。





「じゃが今は隠密、内通者に対する詮議が厳しい折りじゃし、変装などしたら逆に隠密だと断定されてしまうのではないかの?」





男が言う。





「坊主は坊主同士だし。その辺りの事情はあんたの執り成し如何にかかっているだろう。俺はとにかく非人である事が発覚するのが嫌なのさ。それだけじゃ」

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