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戦国哀歌54

同じ信仰をする者同士の強い絆に感謝し、僧兵は合掌し、念仏を唱えた。

床擦れが悪化する類例を記して行こう。





床擦れはその病人が寝ている一番楽な寝相の、一番重心が掛かる肌と、寝ている場所の接する点が患い、悪化して行く。




だから介護する者が、その楽な寝相を解き、床擦れの患部が、寝ている場所と接しないようにすれば良いのだが、この作業が労苦を要するのだ。





まず寝返りを打たない筈の病人が、一番楽な姿勢を取ろうと寝返りを打ってしまうのだ。




そして介護者は又その楽な姿勢を解く。





その繰り返しが介護者を眠らせない現象を引き起こす。




だが不眠不休というのは無理なので介護者はやがて眠ってしまい、結果床擦れは悪化してしまうのだ。




その労苦に耐えながら、僧正警護の僧兵は思う。




幸助は自分の身代わりとなって、寝たきりとなり、今その罪を償うべく、自分は幸助を介護している。




それは紛れも無い事実だと思う。




そして僧兵は考える。





もし自分と幸助の立場が逆転するならば、幸助は自分の面倒を見るかという事を。





面倒は見てくれるだろう。





簡単に出た結論に、僧兵は同じ信仰をする者の強い絆と信頼感に感謝し、合掌して念仏を唱えた。


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