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戦国哀歌52

己が創造した全く類を見ない実力主義の新しいシステムが、信長自身を狂わす事実。

進取の気性を旨とする信長には、それ故に身分制度などに膠着した差別意識と言うのは無かったと言えよう。




実力主義。





その実力尊重の進取の気性があればこその、秀吉の登用となったのだ。




下剋上。恩情無しの実力主義。激しい出世競争。裏切り背信の礎機構を機能させたのは他ならぬ信長自身なのに、信長はその下剋上の掟に、度重なる裏切りの連鎖に翻弄され、歯ぎしりをしていたのも厳然たる事実と言えよう。




戦乱の苛烈なる戦いが、その裏切りの連鎖に更なる拍車をかける。




己の気性が裏切りと功名を同時に再生産しているのに、信長はその激しい気性故に裏切りを許さなかった。




自分は裏切らない事を前提に形作られた類を見ない新しい支配機構は、その力学としての激しく動く裏切りと功名の摂理を内蔵し、それを創造した者を苦しめ翻弄する矛盾。





そして歩き出してしまった自動システムを破棄、修正出来ない苦悩。





その苦悩が残忍なる狂気となって戦場を駆け巡る。





虚無感を生む殺戮戦の狂気はかなさに翻弄されて行く、戦国時代の人々の息吹は、それ故に哀しみを帯びていると言えよう。




そんな風潮が信長の心を狂わせ、殺戮戦に陶酔し、残忍さを増長させていた事は間違いない事実だと言えよう。

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